出会い過ぎた男

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 まず、最初に出会ったのは酒。  大学のサークルの新歓コンパがキッカケだった。俺がうっかり入ったのは所謂飲みサーってやつで、誘惑に弱い俺は毎日のように飲んで遊んでしまった。  次に、麻雀。  ゼミの先輩が大の麻雀好きで、よく人数合わせに誘われた。ついでにこの時タバコにも出会った。  遊んでばっかりで真面目に勉強しなかった俺は当然のごとく留年し、中退。  まともな就職活動をする気になれず、そのままフリーターとなった。  ここで俺は三度目の運命的な出会いを果たす。パチンコだ。  大学を辞めて自由な時間が出来たものの、特にやりたいこともなかった俺は時間潰しに駅前のパチンコ店に入った。その偶然の一回でまさかの大勝ちをしてしまい、すっかりのめり込んでしまったのだ。  その後はろくに勝てなかったのだがたまに出る当たりにすっかり病みつきとなった俺は、見事にギャンブルにハマって競馬競輪と順調に手を広げて行った。  ――そして、最後に出会ったのが消費者金融。  今度こそ、今度こそ勝てるはずと俺は金を借り、少し当たってはその金で返済をした。  ただ、当たり前だが金融は金利がある。よほどの大勝ちでなければ一気に返せることはなくそんなに都合良く勝てるなら苦労はしない訳であって、別の消費者金融で借りてはそれを返済に当てるというよくある負のスパイラルにまんまと俺は突入してしまった。
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