人形の気持ちを読める店主は

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人形の気持ちを読める店主は

 大事にするほどその人形には人の思いが詰まっている。楽しい思い出も悲しい思い出も。持ち主が感じた気持ちも人形はすべて知っているし見ている。 「もう、あぁぁぁ!!」  あなたが成長するにつれ遊び相手だった人形が、いつの間にかあなたの愚痴を聞く役回りへと変わり、優しく触れていた頃とはまったく違った扱い方になっていく。 宙を舞う、綿がはみでる、髪の毛が切られる・・・・  なんてことをと思うのは一瞬だけ。また縫い合わせては同じことを繰り返すのだから・・・・    まだ子供の頃の方が良かったわと人形は夜な夜な泣いている。楽しい思い出を思い返して。 ♦ 「可哀そうに」  女性店主は胸に手を当て目を瞑る。人形たちの思いが彼女には伝わっている。彼女はこのお店の店主。 【怪奇人形店】  こんな店誰が来るのだと思うだろう、だけど迷える人は人形を持ってやってくるのだからおかしい話だ。
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