天狗様に投げ文を

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 太く、高くそびえ立つ木の幹に右の手のひらをピタリとあてる。  私の身長よりもいくらか高い位置にある枝に、くくられているのは紅く色づいたヤツデの葉。  その葉を眺めて、はぁと、一息ついた。  そして私は、(そら)高くへと、手紙を一通投げるのだ。
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