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流行りのゲーム転移をしたらしい
21世紀 前半VR機器登場により人間の生活は大きく変わった。ーーーなんてことはなかった。
VR機器といっても電脳うんたらなんてものはない。それらの世界はまだまだラノベとか漫画、アニメの領域で日本の某有名ゲーム会社が、VRゲームを発売した際、その差に愕然とした人々が鬱憤を晴らすようにネットに悪評を書き込んだ。なんて話もあった。
人々はアッ○ル社が開発したスマホという機械に支配され、四六時中見ていなくてはいられないという狂気的な状況に陥っていた。
その中でテレビゲームやpcゲームがやや廃れ、スマホゲームの市場は大きく拡大した。
そんな中で一つのゲームが人知らずに生まれた。
クリーチャーバスタークロス。
壮大な世界観と、まるで一流のデザイナーによって作られた化のような装備やモンスターの数々、多量の要素を含みながらも洗練されたメニュー。どこかで聞いたことのあるようなBGM、見たことのあるモンスターetc……。
世界的に有名であるモンスターを大剣やボウガン、笛などで倒すかのゲームの丸パクリ作品である。
価格は150円。
本家が1500円なのだから、貧乏人にとっては同じような内容ならば安い方が良いと思うだろう。
詳細を確認するとmade in PRCと書かれている。
ちなみPRCとは。パクリ大国、中華人民共和国の別名である。
made in chinaの悪名のせいで消費が売れないと感じた彼の国が名前を変えているだけなのだ。
注意されたし。
クリーチャーバスタークロス。
なんと安直な名前だろう。
モンスターバスター○○とか、モンスター○○○クロスとかがすでに存在したからとクリーチャーにしとけばいっか、という雑さが伝わってくるタイトルである。
そしてクロス。これは何?
一作目なのにクロス。
じゃあクリーチャーバスターでいいじゃん。意味のないクロスつけんな。
題名からしてクソだが、内容も中々クソである。
ゲーム紹介用の動画ではモン○ンのようなゲーム映像だったのにいざ起動してみると信じられないくらいポリゴンが荒い、そしてなんか重い。
あっれー?間違えて違うゲームを買ってしまったかなぁなんて、アプリを閉じて確認してみるが間違えない。
ふっ、さすがmade in china。
名前を変えても内容のレベルは一緒である。酷い。
さすが150円、内課金なし。
さすがGoog○e play 審査がゆるゆるだ。ケツでも掘られた後なんだろう。
かわいそうに。
こんな詐欺ゲームが発売できるとはなんとも。
クリーチャーバスタークロスの見所は最大150人で同時プレイ可能なマップらしい。
マルチモードとソロモードが存在し、マルチモードにて他のプレイヤーと交流することにより実績が解除され様々な報酬がもらえるようだ。
だが、俺がこのゲームを初めて5年……マルチモードでプレイして一人もプレイヤーにあったことはない。
そして何故か5年間も続けられるのか謎である。サービス終了すりゃあいいのに。
つまり、ソロモードでやるしかないのだが、このゲーム……というより安いゲームにありがちなクソ要素が満載である。
クソ荒いポリゴンの人間。壁を突き破って移動するクリーチャー、木の強度か神っていてぶつかると吹き飛ばされる謎のバグ。
階段を歩いていると裏世界に落ちるバグ。
モンスターが非戦闘地帯に入ってくるバグ。回復アイテムを使うと敵も回復するバグ。死んだ的が空中で横倒しになるバグ。
その他にも色々ある。
この糞ゲーは、バグのせいで鬼畜度MAXの難易度であるが俺何だかんだ言いつつは気に入ってしまい先程言ったように5年間も続けている。
一応サービス終了まで頑張って遊ぶつもりだ。
そう思っていたんだがなぁ。
ーーー何だこれ……。
眼下に広がるクソ荒いポリゴンの森。
ギザギザの木々が生い茂り葉なんて繊細なものは見当たらず緑色の三角が木に被さっているようにしか見えない。
何処からともなくピュュウーと音が聞こえ目の前の木々がざあざあと音を立ててそして自分の衣服がはためく。
風?なんだよな今の。
肌に感じる空気の流れもなければ髪の毛も揺れ動かなかったが……。
夢か?と思い右手で顔をつねろうとしたが勢いあまって右の頬から左の頬まで突き抜けてしまった。
引き抜くが血も出てないし痛みもない。
ああ、これは間違いない。
どうやら俺はクリーチャーバスタークロスの世界に来てしまったようだ。
なんてこった!
ハリウッド映画の主人公みたいなセリフが出た。
なんてこった……ふふふ。
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