この国、門番が闇金をやっているらしい〜ひゃっはー!通行料はテメエの命だ!

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この国、門番が闇金をやっているらしい〜ひゃっはー!通行料はテメエの命だ!

町までの道のりは意外と長い。 美しい風景や隠し要素やらがあるわけでもない広大なマップというものは害悪でしかない。 広大なマップを作っていいのは良ゲーだけにしてほしい。 怠い。 このゲームに限らず3D系のMMO RPGで騎獣系の移動手段意外で一番早いのが回避(ローリング)である。 回避……まぁローリングでもどっちでもいいんだが、アクション系のゲームでは敵の攻撃を避けるために前転のような回避をすることが多い。 そしてこの回避が何故か一番早いのだ。 ダッシュや歩きは大した速さではないが回避はメチャクチャ早い。 あんまり転がるものだから前世はダンゴムシかタイヤだったんだろう。 冗談だけど。 ちなみに緑の服を着た子供が世界を救うゲームではマップ間の移動で回避回数がゲーム機の名前と同じで"64"回転だというのが有名だったな。 そんな雑学は本当にどうでもいいんだが 広いマップを移動する際、騎獣がいないゲームやもっていない初期状態では回避で移動、俗に言うローリングダッシュで進むことが多い……訳だが、今現在、俺もこのローリングダッシュをしている。 俺は気づいてしまった……これってもしかして異世界じゃなくてVRゲームなのではないか?と。 何を根拠に言っているのかといえば、ローリングダッシュでグルグル回転しても全く気持ち悪くならない!ってこと。 現実だったら吐いてるし、3回くらい前転したら腰が痛くなるはずだし。 これはゲーム、これはゲームなんだよ。 あ、ゲームだったわ。 まぁVRって言うのもありえない選択肢だけどな。 今の時代でフルダイブ型のVRなんて無理だ。 体を動かさないとVR内のキャラも動かねーし、そもそもそこまで高度なものはゲーセンにしかないし。 この糞ゲーをVRにするなんていいところを潰してクソを製造しているとしか思えない。 VRってのはな、頭に小型の画面、それも向きによって映像も動くっていう大した技術でもない使い古されたものをぐちゃぐちゃくっつけただけのでっかくて重いゴーグルなんだよ。 フルダイブ?なんの話だ。 バカが現実見ろ。 フルダイブしたいんだったら新宿の繁華街の路地裏の外人からでも白い粉を買って来て家でゴーグルかけてキメやがれ。 そしたらダイブ出来るぞ……知らんけど。 つまり、こんな違和感のない、自然なVRは存在しない。 異世界行ったっていうくらい信じられないことだ。 ま、夢オチがいいところだ。 せいぜい楽しませていただこうか。 ◇ ◆ 高速でゴロゴロ転がり続けて2分。 あっという間に街が見えてきた。 一応荒野から最寄りの街まではゲーム内の設定では108kmは離れているはずなんだが……別に俺がマッハのスピードでソニックブームを撒き散らしながら飛ぶように転がって来た訳ではない。 元々マップ感移動はワープゾーンとかあからさまな扉とか、洞窟にある真っ暗な穴とかを通ることで移動できていた。 ま、普通のゲームと同じだ。 むしろゲームの全てのマップが一つなんてのはアメリカが作っているているサイコパス製造機みたいなソフト群くらいだ。(グラ○フとか) で話戻るが、現実化?した所為か無理矢理マップが繋がっているみたいだった。 森を抜けた時に既にわかっていた話だが、どのマップも広い正方形の区画がツギハギのように繋がっているらしかった。 で今回の荒野も転がりながら進んでいたら、いきなり草原になった。 一応このゲームも、元の元は日本のゲーム会社が作っていたやつだから凝った要素はあるんだが、とりあえず今まで見つけられたのは糞ゲーが糞ゲーたる証拠くらいである。 このゲーム、元はメタモーゼ・バグ・オンラインというバグ技を売りにしていたかなり面白い日本製のゲームだったんだが、ある日突然会社が潰れてサービス終了をしたんだよな。 それでそこに目をつけた中国のゲームをあんまり理解していなかった田舎者クソ会社が買い取ってサービス再開&やりたい要素をひたすらぶち込んで魔改造してくれたんだが。 ま、それは今度話すとして、日本製時代の名残でNPCの商人が乗物に乗ってマップを移動しているはずなんだが、いないな。 ちなみに街の壁を貫通してモンスターが入って来るようになったのは新運営になってからだ。 氏ね中国。難易度高くなり過ぎだよハゲ! 街の門が見えれば此処からが本番である。 この糞ゲーではモンスターが壁を貫通できる癖にNPCとプレイヤーは通れない上、門の周りにラスボスみたいな即死級の攻撃を放つイカレた衛兵が五人もいるのだ。 まあ、金を払えばいいんだが、このゲームがクソクソ言われる一つである"闇金、衛兵くん"とか言われてしまっているこのクソシステムにある。 何をしたいのか疑問しか浮かばないボッタクリ価格の税金を街に入る際に必ず納めることになるのだ。 一応申し訳程度にストーリーもあるこのゲーム。 NPCに話しかけると選択肢が出て選ぶことになるのだが安いゲームというのはどうも開発者不足とシナリオライター皆無ということが多く幼稚なストーリーが目立つ。今作もこれが当てはまる。 ゲームでは街に入るべく門を通ろうとするといきなりムービーが始まって質問に答えるまで操作不能になる。 そして、衛兵達はランダムで所持金の全額を没収するという鬼畜イベントを発生させるのだ。 まずは脱税をしていたとか、人を殺したとか冤罪を着せられ、牢屋に放置され死ぬというクソっぷりである。 一応脱獄も可能だが、暗殺者がゼ○ダの鶏並みに殺すまでひたすら追っかけてくるのだ。正直言って怖い。 暗殺者に関しては片手間で作られたものなのかしばらくすると首がエゲツない方向に曲がったりしてホラーゲームと化す。 それは勘弁してほしい。 それに町に入るのに毎回、所持金が山ほど取られるのを黙認するほど善人じゃないしな。 と、言うわけでこの厄介な衛兵どもを次元の狭間に封印することにした。 その為には少し取ってくるものがある。一度来た道を、今度はちゃんと歩いて荒野へと向かうことにした。
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