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それまでは絶対にパンよりご飯。
パンなんておやつであり、あれを食事と言うのは邪道だと思っていた。
でも、バイトでラストまで働くようになると
残ったのパンをもらえるようになり、それからは頻繁に食べるようになった。
貧乏学生だった僕にとって、余ったパンは
まさに救世主。
あそこで働かせてもらえたお陰で僕は生き延びたと言っても過言じゃないかも知れない。
そのパン屋の店主は、おばさんとおばあさんの中間位の女性で、僕らバイト学生に優しかった。
学生=貧乏だと思っていたらしく、店を閉めるとビニール袋に楽しげにパンを詰めていく。
「これも食べる?とりあえず入れとこうね」
まるで帰省している実家から学生寮に戻る時のお袋みたいな感じ。
本当は全部売れた方がおばさんの利益になるんだから、僕らバイトも複雑な表情する事が多かったけど。
実際は
「よし!メロンパンゲット!」
と僕は良からぬ喜びを感じていた。
まぁ、そういう点ではおばさんと相思相愛だったって事だ。
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