消えた

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他愛ない話をしながら、テクテクと歩いていると大学が見えてきた。 通りすぎる学生達がやたらと幼く見える。 僕もあんなに子供っぽかったのか。 あの頃は自分も大人なんだと思っていたけど。 「あの角を曲がって三件目が僕がバイトしてたパン屋。おばさん店の方に居るかな。二階で暮らしてたから二階で休んでいるかもなー 」 そんな事を言いながら僕は、おばさんに彼女を紹介する場面を想像する。 きっとおばさんは笑いながら 「なかなかやるねー。可愛い人じゃない!」 とか言うだろうな。 ワクワクする気持ちを抑えながら角を曲がった。
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