消えた

5/5
前へ
/17ページ
次へ
こんな時にどんな対応をすればいいのか分からない。 年寄りは自分はもうすぐ死ぬみたいな事を笑って言うけど何て返すべきなんだ? 確かに真実だろうけど「そうですね」とは言えないしな。 「いやいや、そんな事・・・。 あの、ありがとうございました」 僕は頭を下げて薬屋を後にした。 彼女に事情を説明し大学に立ち寄り帰ることにした。 僕は角を曲がる前に振り返り店の方を見た。 数分前まであんなに温かに感じていた街並みも今は殺風景にしか見えない。 パン屋の前で手を振ってくれていたおばさんはもういない。 北陸にいるのか。 ってか北陸ってどこだっけ? 何県と何県が北陸なのか後で調べてみよう。 ここから気軽に行ける所ではないのだけは確かだな。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加