ring.4

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「帰りましょ、先輩」 「あ、ダメだよ、一楓は俺んとこ」 「──は?」 めちゃくちゃ鋭い目つきで、しかもドスが効いてる。 三木さん、ソレすっごい怖いですから、やめて。 「たぶん、いないとは思うけど、もしかしたらつけられるかもよ?」 それを言えば思い出したのか、また顔色が悪くなって。 まだ何もされていないとは言え、この先も何もないとは言い切れない。 「だから、私が守りますから!」 「うん、千雪ちゃんの気持ちはわかるけど、男の力に勝てる?」 痛いほどにわかるよ、だけど気持ちだけじゃどうしようもできないから。 押し黙ってしまう千雪ちゃんを見て、三木が動く。 「千雪ちゃん、大丈夫だから、また月曜に…」 「イエ!明日!連絡しても構いませんか?」 「うん、じゃあまた明日ね」 自分は怖いと思ってるクセに、そんなこといっさい見せない。 相変わらず無表情だけど、笑ってるような気がした。 いつか…俺にも笑顔を見せてくれないかな… 店を出ながらそんなことを考えて、小さく首を傾げる。 ん?どういうこと? 「手を出したら使い物にならないようにしますから、気をつけてくださいね」 「怖いよ、千雪ちゃん」 考えるヒマもないな、これじゃ。
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