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「紛れもなくストーカーだと思います」
そんなストレートに言うなよ、千雪ちゃん。
なんのために俺が柔らかく言ったと思ってんだ。
隣を見れば、ホラ、やっぱり顔面蒼白になってるし。
小さく息をついてテーブルに片肘をつき、三木の頭を優しく撫でる。
「大丈夫です、先輩には私がついてますから!」
なんの対抗意識を燃やしたのか、俺を押しのける勢いで三木の手を握る。
千雪ちゃんを見て少しホッとしたような表情を見せたことに、若干イラッとした。
「ダメだよ、一楓は俺のなんだから」
「──っ呼び方、統一してよ…」
一瞬、俺を見て、でもすぐにソッポを向く。
何そのカワイイ行動、もうずっと名前で呼ぼうか。
「先輩、カワイすぎます!小川さんにも向坂なんてヒトにも渡しません!」
え、千雪ちゃん、どこから目線?
三木のこと溺愛しすぎでしょ。
知ってたけど、ここまでとは思ってなかった。
「イヤイヤ、俺のだからって言ってんでしょ?」
「ちょっ、さきさ…」
三木の肩をちょっと強く抱いて、ニッコリと千雪ちゃんを見る。
対抗心、というか独占欲が渦を巻いて。
相手が千雪ちゃんだろうと、三木を守るのは俺だから。
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