ring.4

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「──っちょっ!向坂!」 気づいたら三木の顔が目の前。 どうやら無意識にキスしたらしい。 「今は俺の彼女、だろ?」 「そうかもしんないけど、それとこれは別じゃない?」 近い距離のままでいると、不貞腐れた顔をする。 仕事中は何があろうと表情が動かないのに、そこから離れてしまうと少しだけど豊かになるなんて。 そんなの反則じゃね? 「コレがある限り一楓は俺が守るから」 右手の薬指にある指輪に触れて、ゆっくりと抱きしめる。 ビクッと強張るから小さく笑って。 サラサラの髪に触れる。 「…こんな、かわいくない女なのに?」 「あ?お前、わかってないな。かわいくないわけないだろ」 そんなことを言うから離れて、両頬を引っ張る。 ストーカーじみたヤツがいることから察してほしい。 人並み以上にかわいい自分のことを。 「俺にとってお前は…」 言いかけて自分の口を押さえた。 無意識に口から出そうになった言葉を物理的に止めて、でも三木は気づいていないよう。 眉を寄せていぶかしげに見てくるから。 「とにかく、おとなしく俺に守られてろ」 全て解決したら、俺から…解放するから、それまで…
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