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「心配ないわ、大丈夫」
『先輩、今は家ですか?』
「…もちろん、家よ?」
昨日連絡すると言っていた千雪ちゃんは、言葉通り電話をかけてきた。
朝の八時に。
休みだからアラームもかけてなくて、気持ちよく寝ていたところだったんだけど。
起こされてボーッとしていたけど、起き上がり目を擦って思考が停止した。
動き出しかけたばかりだったのに。
『そうですか、ではヤツの家ではないんですね』
「えぇ…そうよ」
なんとか返事はしたけど、自分の真横に誰かいることに体も固まる。
モゾモゾと動いたと思ったら、座ってるあたしの腰に腕を回してきて。
…そうだった、ここ向坂の家だ!
え、どうしよう、とりあえずどうやって電話を切ればいい?
『安心しました、ではまた月曜に』
「ありがとう、千雪ちゃん」
回らない頭で考えていると、かなりあっさりと電話が切れた。
それは助かったんだけど、こっちはどうすればいい?
なんとなくスマホのカメラ機能を起動して、シャッターチャンス?
彼女以外は見れない彼氏の寝顔。
ムカつくくらいキレイよね、向坂の顔って。
「隠し撮りなら音消さないとダメじゃん」
「え!起きて!」
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