ring.6

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「癒し?」 「だそうです」 休憩中、千雪ちゃんの言った言葉に首を傾げた。 誰が?俺が? 「え?癒されてるの俺じゃない?」 「そんなのは知らないですよ。先輩がそう言ったんですから、ムカつくけどそうなんでしょう」 「よ、くわからないなぁ?」 俺がそんなことできてるとは思えない。 あの日から一週間経って、だいぶ周りは落ち着いてきたと思う。 「そういえば、小川さんは」 「支店に出向中です。なので今のところ先輩は平穏に仕事してますよ」 「あー、そうなんだ」 聞いといて、生返事を返す。 スマホが震えたと思って見たら、初めて向こうから連絡がきたからビックリして。 悩んで、悩んで送ってきたんだろう。 その文面を見て小さく笑ってしまった。 「気持ち悪…」 「イヤ、千雪ちゃん?悪口は聞こえないところで言おうか?」 「聞こえなければ意味ないじゃないですか」 さすが、一楓以外に対しての態度はブレない。 こんなんで彼氏できんのかな。 「それで、ホントは俺になんの用事があってここに来たの?」 「あぁ、そうでした。なんでコイツが癒しなんだろうと思ってつい違う話をしてしまいました」 「ん?千雪ちゃん?俺、先輩」 「帰ってきますよ、今日、出向先から」
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