ring.6

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反論しようと一楓の肩を掴んだ時── 「三木さん」 聞こえた声にビクッと体を強張らせる。 それが掴んだ肩から伝わってきた。 特に何かされたわけでもなく、ただそうかもしれないと聞いただけでもやっぱり怖いんだろう。 これから何かあるかもしれないと思ってしまって。 「話があるんだ」 階段下にいる小川先輩は、何かを決意したような目をしてる。 あぁ、告白しようとしてるんだな。 千雪ちゃんは完全にストーカーだと思っていたけど、そうじゃない。 ただ、自分の気持ちを伝えようとするけど、うまく言おうとすればするほど言葉にならなかっただけなんだ。 「小川先輩、一楓はご飯まだなんで手短にお願いしますね」 「向坂くん、ありがとう」 なぜかお礼を言われたけど、俺ここにいていいんだよね? 二人きりにしてほしいとか言われないし、一応彼氏としては邪魔者は退散とかしたくないし。 「いても?」 「構わない」 とりあえず聞いてみれば、なんか許されるっていうか… 釈然としない。 「三木さん、あなたのことがスキです」 「え、あの…」 距離を縮めないままの、告白。 たぶん、一週間前のアレがあるから近づかないんだろうけど。 俺はニセモノだから、完全に俺の負けではある。
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