ring.6

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脅して一楓の隣にいるから。 そんな一楓が見えないだろうところで手を握ってくる。 さすがに態度には出さないけど、かなりビックリして声が出そうになった。 「小川さんの気持ちは嬉しいです、ありがとうございます」 震えてるその手をギュッと握り返した。 もしかしたら、小川先輩とつきあっていたかもしれないと思うと、なぜか胸が痛い。 「だけど、あたしがスキなのは向坂、なので…」 少し詰まって言う言葉に鼓動が跳ねた。 わかってる、そう言うように仕向けたのは俺自身。 「つけ入る隙はない、かな?」 「…もし、向坂と別れることがあったとしても、小川さんに行くことはないです」 「厳しいな…ありがとう、聞いてくれて。これからも先輩としてよろしく」 そう言って笑う小川先輩に罪悪感。 もしかしなくても、俺がこんなことしなくても一楓なら大丈夫だったかもしれない。 「はい、ありがとうございます」 笑顔で立ち去る先輩を見ながら、一楓の肩に顔を埋める。 「ご飯、食べちゃダメですか?」 「どうぞ」 告白って非日常的なことだと思うんだけど、いつも通りだな。 一楓や先輩の勇気を目の当たりにして地味に凹む。 「…仕事終わったら、話がしたい」 「うん、いつものお店で待ってる」 俺にはそんな勇気はない。 いつか…
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