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『ソレつけて彼女のフリしてくんない?』
あんなこと言ってたクセに…
『とりあえず解決したから、ソレ捨てても売ってもいいからスキにして』
たった二週間足らずの偽の恋人。
あれだけのために、こんな高そうなモノをわざわざ買うなんて。
バカじゃない?
なのに、簡単に捨てろとか売っていいとか…
ホント、バカ。
「返せって言わない辺りになんだか策略を感じる」
そもそも解決したからって、こっちから返せるモノでもないじゃない。
今まで指輪を外さずにいたのに、急に週明けから外してたら変に思われる。
そんな短期間で別れるなんてあり得ないでしょ。
それに、小川さんをフッたのは昨日のこと。
外して仕事に行くなんて、できるわけないじゃない。
「ムカつく…」
おかげでせっかくの土曜日が台無し。
テーブルの上で転がしてみたりつけてみたり。
そんなことをしてる自分がもっとムカつく。
「──っあぁ!もう!」
なんかもう、全部ムカついてきた。
呼び出してやろうかしら…
何か言ってやらないと気が済まない。
昨日は話が急すぎて頭が追いつかなかった。
時間を追う毎に向坂の言葉を思い出して、だんだんムカついてきて。
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