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「えぇっと…」
男のヒトが振り向くくらいの笑顔を振り撒く千雪ちゃんに連れられてついた場所。
「いつものカフェ、だね?」
「だって先輩、ここスッゴいおいしいんですよ?」
もちろん知ってる。
普段来る時はコーヒーくらいしか飲まないけど、いつも店内はおいしそうな匂いを漂わせてるから。
今日は待ち合わせでもないし、真殿先輩もいないハズ。
「じゃあ、入ろうか」
「はい!」
「千雪ちゃんって、休みの日もそんなに元気なの?」
店の中に入りながら聞くと、前を歩いていたのにわざわざ止まって後ろを向く。
「そんなわけないですよ、先輩に会えると思ってなかったからテンション上がっちゃってます!」
「あ、そう…ありがと」
「いらっしゃいませ、休日にまで来ていただいてありがとうございます」
千雪ちゃんがよくわからない。
そう思っていると横から声がかかった。
笑顔の女性は真殿先輩の彼女さんで。
このヒト、いつ来てもいるんだけど、お休みあるのかな。
「今日も待ち合わせですか?」
「違います、今日は二人で」
少し食い気味の千雪ちゃんの勢いに押されて引きつった笑みを浮かべてる。
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