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「…は?」
「悪い、席取られたから一緒させて」
「ヤ、まぁ、いいっすけど…」
まさか、先輩がいるとは思わなかった。
一楓達が入って来たことは知ってたし、先輩の彼女である桜花さんも飯を持って来た時に言ってきて。
飯食ったらすぐに帰るか。
なんせ、昨日の今日だし。
あの指輪…どうしただろう。
もう捨てた?
「なぁ、ケンカでもしたか?」
「はい?」
「休みなのに別々だし」
先輩に言ってもいいと思う。
ただ呆れられるだけで。
「たまには別の日もありますよ、それに三木を縛れる人間なんていないっすから」
「そういうもんかね?」
会いづらいだけなんだけど。
やっぱり、彼女のフリしてもらってたなんて言えない。
一楓を守りたかった、ただそれだけでムリヤリ彼女にした。
「…じゃあ、帰ります」
「まぁ、待て、コーヒー飲み終わるまでつきあえ」
「ソレ、冷めてないっすか?」
「気にすんな、猫舌なだけ」
そんなこと初めて聞いたんだけど。
ていうかそれよりも早くこの場をあとにしたい。
一楓から話しかけてくることはないだろうけど。
「向坂…」
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