ring.8

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「…は?」 「悪い、席取られたから一緒させて」 「ヤ、まぁ、いいっすけど…」 まさか、先輩がいるとは思わなかった。 一楓達が入って来たことは知ってたし、先輩の彼女である桜花さんも飯を持って来た時に言ってきて。 飯食ったらすぐに帰るか。 なんせ、昨日の今日だし。 あの指輪…どうしただろう。 もう捨てた? 「なぁ、ケンカでもしたか?」 「はい?」 「休みなのに別々だし」 先輩に言ってもいいと思う。 ただ呆れられるだけで。 「たまには別の日もありますよ、それに三木を縛れる人間なんていないっすから」 「そういうもんかね?」 会いづらいだけなんだけど。 やっぱり、彼女のフリしてもらってたなんて言えない。 一楓を守りたかった、ただそれだけでムリヤリ彼女にした。 「…じゃあ、帰ります」 「まぁ、待て、コーヒー飲み終わるまでつきあえ」 「ソレ、冷めてないっすか?」 「気にすんな、猫舌なだけ」 そんなこと初めて聞いたんだけど。 ていうかそれよりも早くこの場をあとにしたい。 一楓から話しかけてくることはないだろうけど。 「向坂…」
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