ring.2

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先週、指輪を買っているところを先輩か後輩の女子に、見られていたらしい。 別に見られてもいいっちゃいいんだけど。 金曜の夜、呼び出していたアイツにソレを渡した。 すっごいイヤっそうな顔で拒否ってきたけど、全部ムシして喚くアイツの薬指にハメて。 そして、そのまま怒りながら帰って行った。 …イヤ、説明というか、なぜソレを渡したかっていう理由を聞かないのかとは思ったけど。 まぁ、アイツ、ヒトの説明とかそういった話、最後まで聞かないんだ。 ソレを承知で渡して、去っていく背中を見ながら苦笑い。 念押しのようにメールを打って、それが先週のこと。 「よー、売れ残り」 仕事終わり会社の近くのカフェで待っていたアイツに、挨拶代わりの嫌味を一つ。 「うっさいな、周りが結婚するの早いだけでしょ」 鋭い睨みとため息。 普段、表情の乏しいわりには結構睨んでくるよな。 まぁ睨まれるようなことしてるし言ってるんだけども。 「で、なんで待ってなきゃなんないの」 「だってお前、この間なんも話聞かずに帰ったじゃねぇか」 「イヤ、十分でしょ、彼女のフリしろなんて、それだけ聞けば他に何があるっていうの」 それだけを聞いて全てを察したとでもいうのか。 そもそも仕事できるヤツだし、たいがいのことは理解してくれると思ってたけど。
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