888人が本棚に入れています
本棚に追加
「なぜ、俺がそんなこと言い出したとかさ、普通聞かないか?」
「あたし、あなたに興味がないの。聞いたところでソレは変わらない」
相変わらず、はっきりと言うな。
それを聞いて俺が傷つかないとでも?
思ってるんだろうな、なんせ会社での異名は鋼鉄の三木、だもんな。
どんなことがあろうと動じない、らしい。
一緒に仕事したことがないから真意はわからないけど。
「それで?あなたの彼女になって何をすればいいの」
「会社内のストーカーに見せつける?」
軽くそう言えば、無表情だったその顔が歪んだ。
初めて見たその表情に、もっと他の表情も見てみたいと思ってしまう。
…なんて、なんでそんなこと思うんだ?
「ストーカーが、職場に?」
「似たようなもんだろ?俺の行くところを後ろからついてくるなんて」
「あー…まぁ、そうね、行動を監視されてる感じかしら」
「だから、明日からよろしく」
右手を差し出しそう言うと、返されたのはため息のみ。
しかも無音。
昼にもそれをされたけど、せめて音を出してほしい。
その方が気づくし何か返せるんだけど。
最初のコメントを投稿しよう!