ring.2

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「なぜ、俺がそんなこと言い出したとかさ、普通聞かないか?」 「あたし、あなたに興味がないの。聞いたところでソレは変わらない」 相変わらず、はっきりと言うな。 それを聞いて俺が傷つかないとでも? 思ってるんだろうな、なんせ会社での異名は鋼鉄の三木、だもんな。 どんなことがあろうと動じない、らしい。 一緒に仕事したことがないから真意はわからないけど。 「それで?あなたの彼女になって何をすればいいの」 「会社内のストーカーに見せつける?」 軽くそう言えば、無表情だったその顔が歪んだ。 初めて見たその表情に、もっと他の表情も見てみたいと思ってしまう。 …なんて、なんでそんなこと思うんだ? 「ストーカーが、職場に?」 「似たようなもんだろ?俺の行くところを後ろからついてくるなんて」 「あー…まぁ、そうね、行動を監視されてる感じかしら」 「だから、明日からよろしく」 右手を差し出しそう言うと、返されたのはため息のみ。 しかも無音。 昼にもそれをされたけど、せめて音を出してほしい。 その方が気づくし何か返せるんだけど。
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