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お前が投げなきゃ
甲子園行きたかったのにな…
「すみません!すみません!」
背番号11番の選手が、3年生であろう人たちに囲まれて文句を浴びせられていた
「すみません!俺のせいで…」
ガバッ!
背番号11番を付けていた選手が、目を覚ましてベッドから一瞬で上半身を起こした。ジャイオンズの上山浩一のポスターが壁に貼ってあり、見慣れたいつもの自分の部屋だった
「夢か…」
部屋の時計を見ると午前4時頃だった。背番号11番の選手がパタンと上半身を再びベッドに倒した
(…)
汗をびっしょりとかいていた。熱帯夜のせいもあるだろうが、かいているのは暑さの汗だけではなかった
(あんな事思われてるのかな…。当然だろうな…)
そして、目をつぶって眠りについた
ふぁ…
知紀が部室であくびをしながら練習用ユニフォームに着替えている
「知紀はやくしろよ、鍵当番なんだからさ」
鍵の束を持った倫太郎がそう言った。唯斗も、倫太郎の横で黙って知紀を待っている。知紀が着替え終えて駆け足で部室、グラウンドの鍵を開けていく
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