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蛇足的R18
―――建物と同じくらい古びた木のベッドに一糸まとわぬ男が二人。
蛇のように深く絡み合い、互いの体温を奪い合うように抱き合っている。
「っ……き、今日は……えらく、がっついて……る」
性急に暴かれた黒衣の下の、白い柔肌に舌を這わせた魔物がその言葉で顔を上げる。
「さっきの、ムカついたから」
そう言って笑う顔は言葉とは裏腹に、非常にニヤけたものだった。
「なっ……なに、それ……いッ……!」
突然小さな悲鳴を上げたのはジョンの舌がリアムの胸の飾りを捕え、あまつさえ軽く歯を立てたから。
ピリ、とした鋭い痛みに彼は唇を震わせて眉を寄せる。さらにやわやわとそこを甘噛みされると、齧り取られるのではと恐怖が這い上がり息も上がるらしい。
「や、やめッ……ば、ばかっ、痛い……」
「そうか? こっちは良さそうだが」
笑みを含ませたままリアムの一向に萎えることの無い性器に指を絡ませると、あからさまに息を詰めてビクビクと震える白い四肢。
白魚のようなそろ肢体にかぶりつく衝動を抑えながら、そのまま丹念にソコに舌を這わせていく。
「んぁ……っ……ぁ、あ、ああッ、あっ……」
言葉にすらならない喘ぎが、普段は穏やかで且つ潔癖な気がある聖職者の薄い唇から漏れ出る様に、吸血鬼は緑の瞳を細めてほくそ笑む。
……限界が近いのだろう。シーツを掴む手をより白むほど力を入れて、横臥した背を逸らし気味に悶えている。
「まだだ」
冷酷なその制止と共に、途端這わせた舌も絡めていた手も全て離れて放り出す。
「ッ……なん、っ、で……」
彼は涙目で訴えるが、それはこの加虐趣味に目覚めた魔物にとってはなんの効力もなかった。むしろその欲を煽り加速させるには充分で。
「いっそうのこと、このまま閉じ込めてしまおうか。お前が誰の目にも触れないように」
「な、何を、言って……」
打って変わって無表情になった彼の声は、驚く程に激情に駆られていた。
「お前が祈りを捧げる『神』とやらも俺は憎い。こんな朽ち果てそうな教会にお前を縛り付けるのも『神』いう奴なのか」
「や……やめっ、やっ、あっ、ああっ、ぅ、あアッ」
荒々しく言葉を紡ぎながらも、この美しき魔物は碌に慣らしも愛撫もしていない秘部を両足を割り開く事で暴き立てる。
そして抵抗する暇も余力も与えずに、一気に貫いた。
「がぁっ、ぐッ……ぅう、ああっ、ぅぐ、っ……や、
やだっ……ま、まって……ぃ、たぁ……」
いつもより乱暴に、凶暴性を持って抜き差しされるソコはとうに切れて血が滴っているのだろう。その滑りを借りて、ぬちゃぬちゃと粘着質な水音と荒々しい吐息。
そして彼の首にかけられたのは、大きくて華奢な魔物の綺麗な長い指。
そのまま徐々に力が入り締めあげられ、頸動脈が押し潰される。
それでも下の律動は止められる気配はない。
彼にとって痛みなど既にに無くなっていた。あるのは意識の消失と、緩やかな死への憧憬―――。
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