<3・Werewolf>

5/5
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
――なんとかなる、か?もこもこって人がちょっと尖ってる印象だけど。  ていうか、いくら自由にハンドルネームつけられるからといって、覗き魔ってなんやねん!思わず画面に向かってツッコミを入れてしまうミライである。  そうこうしているうちに、人数が揃ったらしかった。RMであるゴールド氏から、今回の村の基本ルールが説明される。人狼ゲームは人狼ゲームでも、村の中でのいわゆる“暗黙の了解”はRMがある程度自由に決めていいことになっているのだ。嫌な者はそれを聞いた時点で出ていけばいいだけなのだから。そして、多くの村ではそうそう特別なルールは設けない。いわゆる“マナー違反”を禁止する内容だけになることが殆どだ。  この村でも同じ。いわゆる狼による早噛みの禁止(全ての役職がコマンドを実行すると自動的に夜が明けてしまうので、狼は夜の時間が残り二十秒程度にならないと噛んではいけないというマナーがあるのだ)や、突然死の禁止、村人の役職騙りや村人であることをCO(カミングアウト)することを禁止するようなものである。  ちなみに村人が役職騙りや、村人COをすることが何故禁止かといえば。それらの行為が、村のメリットになることが少ないからである。推理が成り立たなくなってしまったり、村人CO者が出ることによって狩人などの役職が露出してしまいがちになるからだ。  狩人は、村の占い師などを守れる重要な存在。しかし自分自身は守ることができない。できる限り長く、己の生存を匂わせつつ狼に噛まれたり、疑われて吊られないようにしなければいけないのだ。素村CO(ただの村人であり、役職者ではないこと)が出ることにより、その範囲が狭まることは避けるべきことだというわけである。 ゴールド氏:皆さん揃ったようですね?では、人狼ゲーム始めましょう!何度も言いますが、中には初心者・初級者さんもいます。暴言などは禁止、なるべく柔らかい言葉で議論してくださいね。  もこもこ:わかってる。   ミライ:頑張るぜ!   ルナ :いきましょー! ゴールド氏:では、わおーん!  そして、ゲームが開始し――最初の夜がやってくる。  さて俺の役職は何かな、と考えて――しょっぱなから、ミライは顔を顰めることになってしまった。  12A猫村。配役は人狼3、狂人1、占い1、霊能1、狩人1、村人5――そして、猫1。  そう、この村には猫又という存在がいる。村人の味方でありながら、非常に厄介な役職が。 ――いきなり、猫引いちまったよ……!  ミライの見つめる液晶画面には。大きく“貴方は猫又です”の文字が表示されていたのだった。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!