<4・Cat>

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 現時点で分かっているのは、ミライ自身が猫又であるということのみ。  初日犠牲者が役職を持っていってしまう可能性はある。占い、霊能、狩人、狂人は初日で消えているかもしれないことを予め念頭に置いておかなければいけない。複数騙りが出ても、そこに真がいるに違いないなんて楽観視はけしてできないのだ。  今の時点で注意を向けておくべきユーザーは、ベテランの人狼プレイヤーであろうゴールド氏。そして、少々初心者に突っかかる様子を見せていたもこもこだろうか。あの言動からして、よほど人狼ゲームに自身があるものと見える。 ――さあて、夜が明けるぞ……!  画面が切り替わり、朝が来る。自分は猫又だから、少なくとも朝イチでCOする必要はない。様子見で挨拶すれば、狂人などのポジションを疑われてしまう。簡潔に挨拶を、朝が来てすぐ書き込んでおくことにする。 ゴールド氏:おはようございます、皆さん。   ミライ:おはよう、占い師と霊能はCOを頼む   まーお:死体が転がってるいい朝でござる   チョコ:おはようちゃんです   覗き魔:占いCO ルンバ白 初日だから適当に、リスト上占いした    ルナ:霊能CO 狩人いる村だしソッコー出ておきます   美智子:おはおは  もこもこ:占いCO 美智子黒 ここ吊ってくれ    夏野:占い二人?2-1なん?黒刺さってる? SASAKAMA:ほんとだ、美智子CO、あるん?   ミライ:黒刺さってんね、貫通でいいんじゃねーの  もこもこ:貫通して、美智子反応しないし    ルナ:ほんとだ   ルンバ:おはよう、黒刺さりはあこ ゴールド氏:ルンバさんも随分朝が遅いんですね。悠長に構えてらっしゃるのは、黒がきて今日の吊りが自分ではないから安心したのでしょうか?白貰いではありますけど。   ルンバ:そんなんじゃない、言いがかりやめて ――うっわ、これどっちだろ。ちょっとややこしいな。  占い師が黒を出してきた場合、村人から見て考えられるケースはいくつかある。  一つ目は真占い師が本当に黒を見つけてきたパターン。これは素直に占い師の勘を称賛するべきところである。  二つ目は狂人が騙りに出て黒特攻してきたパターン。狂人にはご主人様がわからない。よって黒を出した先が本当に狼である可能性もなくはないのだが、誤爆する確率は初日ならばさほど高いものではない。引っ掻き回せれば吉と判断して適当なところに黒を投げてくることも十分に有り得る。なんといっても、狂人は吊られても構わないのが強みであるのだから。  三つ目は、狼が騙りに出てきたパターンその一。一つは狂人と同じく適当なところへ黒を打っての特攻である。ただし狼は狂人と違って仲間の狼がわかる。誤って狼仲間に黒をしてしまうという可能性がないのがメリットだ。  四つ目は、狼が騙りに出てきたパターンその二。このケースは狼があえて仲間の狼に黒を打つのである。仲間を一人わざと切り捨てることにより霊能とラインを繋げ、正しい占い結果を出すことによって村の信用を得られるという作戦だ。12A猫では狼が三匹もいる。身内切りは、十分に現実的な戦法と言えるだろう。
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