<4・Cat>

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――果たして今回はどのパターンだ?……ちょいと気になるのは、もこもこの占いCOタイミングがちょっと遅かったってことと……もこもこに黒打たれたはずの美智子の反応が鈍いってことだな。  もし本物の占い師であるのならば、朝イチでいの一番に飛び出して結果を伝えたいと思うはずである。もちろんこれはチャットであるため、多少のタイムラグというものは発生する。速度だけで判断するのは非常に危険だ。ただ、占い結果が黒ならばよりいっそう素早く結果を話したいと思うのが普通、というだけのことである。それにしては少々もこもこのCOは悠長だった。結果的に、対抗の占い師である覗き魔のCOよりも遅れてしまっているから尚更である。  さらに、その黒を打たれた美智子だ。村だろうと人外だろうと、黒を打たれて焦らない人間はいない。村なら潔白を証明したがるし、狼も同様に吊り逃れを考えるか――あるいはいかにして“村であるような態度で”吊られるかを考えるところである。  それがないのは回線の都合か――あるいは、どう反応するべきか考えあぐねているか。  それはつまり、美智子が考える必要がほぼない“素村”――ではない、何らかの“役持ち”である可能性を示している。勿論、猫又はミライであるので、その場合残る狩人、人狼、狂人のいずれかというわけだが。 ――占いが二人出て、しかも片方の占い師は黒伏せしてない状況。潜伏占いや潜伏霊能するメリットはまずねぇだろう。占いや霊能である可能性は切り捨てるとすれば……。  そして、事態は動いた。   美智子:猫又COです ゴールド氏:はい?   ミライ:へ?  もこもこ:遅すぎ。信用できない。対抗の猫さん出て。こいつ貫通でいいよ    夏野:確かに遅いね、なんで黒打たれてすぐ出ないんだか   ルンバ:対抗いるー? ――マジかよ!猫炙りしてきやがった!!いや十分にあり得た可能性だけども!  内心叫ぶミライ。美智子が猫又CO。しかし、美智子が本物の猫ではないことはミライにだけはわかっている。村人の騙りは禁止の村だ、つまりこの時点で美智子は人外が確定したということになる。  だが、問題は――それを知っているのがミライだけであるということ。  美智子が人外でありながら猫又を騙ることで、人狼にとって最も厄介な本物の猫又を炙り出そうとしているのは透けている。このままミライが出ていけばそれこそ人外の思う壺だろう。  だが、もしこのままミライがCOしなければ、本物の猫又に黒をぶつけてしまったということでもこもこが偽物と見なされて処刑されるとになる。もしもこもこが本物の占い師だったとしたら、村としては致命的な流れだ。 ――多分人狼の……猫炙り目的の身内切り!どうする俺……!?  ただ、どうしても一つ引っ掛かる。  それならば作戦は夜のうちに決まっていたはず。どうして、美智子は即座に猫又COしなかったのだろうか。
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