<5・Deceive>

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――どっち……どっちだ!?美智子は確実に猫又炙りをしている。俺が猫又COしたら思うツボだ。多分貫通で美智子吊りにはなるんだろうが、もこもこが狼だったら完全に作戦に乗ってしまうことになる。けどもし……もこもこが真占い師だったとしたら?  自分が名乗り出ず、対抗猫又がでなければ。黒を打たれた美智子が真猫で確定という流れになってしまい、黒打ちした占い師であるもこもこが破綻釣りされる流れになってしまう。もし彼が真占い師だったら、致命的な流れだ。 ――出るべきか?出ないべきか!?くそ、どっちだ……!?  躊躇っている間に、どんどんログは進んでしまう。この人狼ナイトターミナルでは昼時間も夜時間もかなり長めに取ってはあるが、だからといって無限に議論の時間があるわけではない。  ミライが躊躇っている間に――会議の中で、動きが発生していた。 ゴールド氏:どうしましょうね、これ。正直なところ、美智子さんも本物の猫とは見づらいというか   美智子:私が真猫です!対抗出てきてないじゃないですか!吊らないでください、呪いが村に飛んできてしまいます!もこもこさんの破綻です!  もこもこ:なんでそうなるの。美智子が露骨に猫炙りしてるのがわかってるから、本物の猫が出てくるのためらってるだけじゃん。私が偽だと思うなら美智子吊ればいい、それではっきりするよ。   ミライ:確かに、吊って道連れがでなければ偽だっていうのはわかるか。というか、道連れが出たらそれはそれでもこもこが偽だってことになるだけなのか、これは。   覗き魔:ここで真猫が出てこないとしたらそれも謎ではあるけどね   チョコ:結局どうするんですか。   まーお:美智子さんも真猫だったなら、黒打たれて様子見とかしてないですぐにCOすれば疑われないで済んだのに。   ミライ:うーん……俺も貫通でいい気がするけど、美智子さん吊り。   美智子:やめて!冗談じゃない!    ルナ:どうしましょう ゴールド氏:すみません、やっぱり出ます。猫又CO   チョコ:対抗来た!? ゴールド氏:炙られているのがわかってたのと、もこもこさんが真占い師かどうかわからなかったので様子見してしまいました、すみません。私が本当の猫又なので、貫通で美智子さん吊りで大丈夫です。呪いは発生しませんよ    夏野:おおおお!これは美智子さん吊りでよさそう! 「なんだと……!?」  はっとして画面を注視するミライ。ギリギリまで粘ってから対抗猫又COしようと考えていた矢先である。  まさか、猫又の偽物の二人目が出てきてしまった。それもルームマスターのゴールド氏である。 ――ちょっと待って、これはどういう状況だ!?なんで人外は、二人も猫又に騙りに出てきたんだ……!?  とりあええずメモをもう一度取り直して考え直そうと決めるミライ。  もしやこれは、人外の殆どが表に出てきたという図になるのではなかろうか。
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