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ネットで気軽に“汝は人狼なりや?”が遊べるサーバー、『人狼ナイトターミナル』。ここ数年、研矢が入り浸っているのもこの場所だった。人狼ゲームは楽しい。同じ配役であっても、どんな展開になるのかは全く想像がつかない。どれほど戦っても飽きるということがない。セオリーというものもあるにはあるが、それも経験を積み重ねれば積み重ねるほど変遷していくのがまた面白いというものだ。ここのところは特に、夜時間があれば毎日のように人狼ゲームに勤しんでいる研矢だった。新しいネット友達も増えたから尚更である。
今は、その人狼ナイトターミナルに立った“村”にて、12A猫配役での試合が一戦終わったところであった。ミライ、というのが最近特に親しくしている初心者ユーザーである。試合の後、こうやって反省会を行って知識を高め合ったり、新しい仲間を増やすというのもまた醍醐味というものである。特にこのミライという人物は、人の教えを素直に吸収して学んでくれるので非常に教え甲斐のあるユーザーだった。人狼はそれこそ“千回戦うまでは初心者”なんてことを言う者もいるくらいだが、この様子なら彼はそこまで戦わずとも初心者を脱出してくれるかもしれない、と思う。
オコジョ:占いの仕事は、まだ隠れ潜んでいる狼を見つけ出すこと。特に、12A猫なら狐はいないから、呪殺ってものを考える必要がない。でもって、3-2の状況ってのはつまり、既に人外は最低三人も露出してるってわけだよ。真の占い師と霊能、残りは狼と狂人なわけだからね。グレーに潜伏してるのは一匹以下ってなわけ。
ミライ:あ、言われてみると確かにそうかも!場合によっては人外全露出な可能性もあるよな!?真狼狼―狂狼、とかそういうケースもあるわけで。だって欠けありだから、真がそこにいない可能性もゼロじゃないわ。
オコジョ:真が潜伏してる可能性ってのも少ないなりにないわけじゃないしね。そうなると、ますます占いの価値ってのはなくなるわけ。だから、この場合は確実に人外がいる占いをロラしていって、霊能決め打ちにした方が無難なわけだよ。
ミライ:なるほど。ちなみに、占いをロラする場合なら、誰から消すのがいいの?今日の俺の意見が浮いてたっぽいってのはわかったけどさ。
オコジョ:そこはアレだよ、お前がグレーに黒見つけてる占いを残そうとしちゃったからでしょ。グレーに黒見つけてるなら、その占い師視点で人外は全部見えてることになる……つまりお仕事終了ってわけ。真だったとしても残す意味がないんだよ。
ミライ:あ。言われてみれば、そりゃそーだ。ミライ君うっかり。
オコジョ:そゆこと。つまり、村からすると一番仕事が終わってない奴を残すのが定石。まあ、露骨に狂ブラ撒いてたり、狼捜す気がない奴がいれば話は別になるけどね。
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