<4・Cat>

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<4・Cat>

 猫又。それは12A猫配役にとって、キーパーソンとも言える役職である。  12A猫の12とは、村の人数を表す。一人は初日犠牲者となるNPCなので、実際のユーザー参加者は十一人だ。同じ十二人で行う配役にも色々あるが、先述した通り12A猫は戦略の幅が広く、それでいて考察もしやすいので初心者から上級者まで楽しめることでも知られている。  で、猫又というのは、だ。  村の役職であり、勝利条件上は村人として計算される存在である。ただし普通の村人にはない特殊能力がある。狼に噛まれると、呪いの力で狼を一匹道連れにすることができるのだ。つまり狼としては、何がなんでも噛まないで生かしておくか、吊らせてしまいたい存在ということになる。  猫又の呪いは、昼の投票で吊られても発動する。ただしその場合は、生き残っている者の中から一人をランダムでつれていくことになる。呪いが村人に飛んでしまう、下手をしたら占い師や霊能者が連れていかれてしまう可能性もあるということ。狼や狂人ならともかく、猫又の呪いで真占いが連れていかれるなんてことになったら大惨事以外の何者でもない。よって猫又は、噛まれるように動きつつ吊られないように行動しなければならないのである。 ――猫又にグレー連れていかれるとそれもしんどいんだよなぁ。連れていかれた奴は霊能者も白黒わかんねーもんだから。  ちなみに占い師、霊能者とも名乗り出ることを“CO(カミングアウト)”と言い、結果は黒=狼、白=狼ではないで伝えることになる。“占いCO!ミライ白!”と言ったらミライは狼ではないという占い結果を出しました、という意味になるというわけだ。  ちなみにここで注意するべきことがひとつ。普通村(ワンナイトではない村のこと)では、占い師も霊能者もわかるのは“占った相手や吊られた相手が狼かそうではないか”ということだけである。つまり、狼ではないと出たその人間の役職までは判明しないということだ。白と出される人間には、素村も狩人も猫も狂人も含まれるということである。 ――猫又は、占い師と違って占い先を考える必要もないし、狼みたいに噛み先騙り先で悩む心配もない。だから初日の夜なんてのはほとんどやることなくて暇ではあるんだけども。
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