AIミライのオオカミサガシ

＜３・Werewolf＞

　汝は人狼なりや？――『Are You a Werewolf?』とは。
　今では日本でもお馴染みのパーティゲームとして知られているが、元の発祥は原題の通りアメリカから来ている。最初にゲームとして発売したのは2001年、アメリカのゲームメーカーである『Looney Labs.』によってなのだそうだ。
　元は対面式のゲームではあるが、ネットの普及に伴って今ではアプリを使ったり、はたまたチャットを使って行われるということも少なくない。略称として“人狼ゲーム”と総称されることが多いとされている。基本的には人狼ゲームと言えば、この“汝は人狼なりや？”を指すと思って間違いはないだろう。

――シンプルだけど、推理力と直感力、高いコミュニケーション能力が試される。なかなか面白いゲームだよな。

　人狼ゲームについてのルールなどをおさらいしながらミライは思う。もし本当に、ネットニュースで出てきた事件といなくなってしまった“オコジョ”が関係しているというのなら。ミライの直感した通り、この人狼ゲームのサーバーである“人狼ナイトターミナル”が関係していると見てほぼ間違いはないだろう。このサーバーの管理者が事件に関わっているのか、はたまた第三者がこのサーバーに介入して事件を巻き起こしているのかは定かではないけれど。

――ある閉鎖的で、小さな村があった。ある時その村に噂が流れた……人に化けることのできる狼、いわゆる人狼が、近隣の村を襲っているらしいという噂だ。

　それが、このゲームの大前提の設定だ。数少ない、物語のようなものと言っても過言ではない。

――村人達はそれを信じなかった。鼻で笑った者もいた。しかしそんな噂を聞いた翌日、村人の一人が無残な遺体となって発見されることになる。それも明らかに、狼に食われたとわかるような惨たらしい姿になって……だ。

　人狼は、存在する。それも村人そっくりに化けて、今既にこの村に隠れ潜み、夜毎一人ずつ消していこうとしているのだ。
　村のリーダーは決意した。こうなった以上、疑わしい者を一晩ずつ処刑していくしかない、と。人間か狼か、彼らの言動からそれを判断し、狼である可能性が濃厚となった者を殺していくことでしか村を守ることは叶わないのだと。
　幸いにして、村にはいくつも特殊能力を持つ者がいる。彼らの力を借りていくことができれば、狼を見つけ出すこともさほど難しいことではない。
　結末は二つに一つ。人狼を駆逐して村人が勝利するか、あるいは村人達を食い尽くして人狼が勝利するかのいずれか、だ。