白いサザンカ

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気づかない間に昼寝をしていた彼は昼食の匂いで目を覚ました。 焼き魚にご飯、味噌汁に野菜炒め。彼がほとんど動かないでいるのに普通の体系を維持しているのはこのバランスのとれた食事によるものが大きいだろう。 「毎日頑張るよな。かーさん」 そう言えばしばらく母親にあっていないことに気がつく。だいたいいつ頃からだろう?結構長い間会っていない気がする。 しかし、父にはなぜか頻繁に会うのだ。前回あったのは3日前。 父は討児に「引きこもりをやめろ」とも「働け」とも言わない。 その代わりに毎回決まって「元気でやってるか?」「欲しいものはないか?」 などと心配してくる。 この父にしてこの子あり。引きこもりが生み出される典型的な家庭だ。
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