助け

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助け

精一杯の強がりだった。 本当は体がボロボロだというのに嘘をつく。 両親の反対を押し切って田舎を出た私は、都会の会社に就職した。 けれどその会社は週一の休みがあるだけで有給は取れず、給料も安い。 酷い時は八や九連勤の時もあるほどだ。 唯一の救いはサービス残業の時間がブラック企業に比べて少ないこと。 そのため私の働く会社はブラック企業予備軍であった。 それでも体は限界を迎えていて、一年足らずで高熱が続く日々の末ついに寝込んでしまった。 その時の弱さが出たのだろう。 初めて親に連絡することを決めたのだ。 特に反対されたのはお父さんで、逆にお母さんは私を心配してくれていた。 たまにメールで連絡が来ていたのだが、それに返信すらできたなかったのもまた私の弱さである。 結果、メールで連絡するのは気が引けるためこうして手紙を送ることにした。 少し古い気もするのだが仕方がない。 本当は助けてほしい、両親に会いたい。 そう思っているくせに文面では強がっている私は完全に矛盾している。 「…帰りたい」 実家に帰りたい。 近所の人たちは全員知り合いで居心地の良い田舎の街へと帰りたい。 自然豊かなその街は空気も美味しい。 それなのに都会(ここ)は息苦しかった。 涙が目に浮かぶ中、丁寧にシンプルな便箋を封筒へと入れた。 すでに買っておいた切手を貼り、迷わないうちにポストへと投函した。
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