世界が変わる 190909

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 白いカーテン。白いシーツ。  ここは病院か。  私は病院にいるのだ。  病院のベッドで寝ている。  それはわかる。  それはわかるが、それ以上はわからない。  何故私はここにいるのか。  こういうのを記憶喪失という。  それもわかる。  だが実際自分が記憶喪失になってみると、本当にわからないのだ。  昨日まで、何をしていたのだろう。  わからない。  しかし私は冷静だ。  パニックに陥ったりしない。  記憶がないからといって、呼吸が止まったり心臓が止まったりする訳ではない。  今すぐにパニックに陥る必要はない。
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