開かないドア〜華麗なる脱出物語X〜

プロローグ

外に出たい。

とにかく外に出たくてたまらない。

こんな狭い空間に閉じこもっているなんて、

息がつまりそう。

昔は安心してた。

部屋の中が1番だった。雨も風も防いでくれて、嫌なことから守ってくれて、あったかくて。

でも今は、広い外の世界の真ん中で、大きく息を吸って、大きく手を伸ばして、どこまでも続く綺麗な景色を見て、感じたい。

私が今、生きていることを。