悪夢の再来

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悪夢の再来

数日後、大学は夏休みに入り、俺と田中は自由な時間を満喫していた。 大学で。 今俺たちが居るのはサークルの部室だ。 と言ってもこの部室は少し前まで研究室として使われてたため、ネットも使えるし、冷蔵庫もある。 クーラーで快適温度に室内を冷やして、椅子に深く腰をかけ、グラスに注いだコーラを飲む。 「これぞまさに至福の時…」 口うるさい親もいないし、居心地が良いため、俺たちは休みでも大学に来ては持ち込んだPCでネットサーフィンをしたり、ネトゲしたり、 時には携帯ゲーム機、スマホゲー等で遊んでいる。 このサークルは、『近代ゲーム研究サークル』という名前で活動しているのだった。 「おい雄大。俺がこの前ここに入れたプリンが無くなってるんだが、心当たりあるよな?」 田中が冷蔵庫を開けて何か言ってる。 俺を疑ってるのか。まったく、人聞きの悪い。 「あー、あれなー。あれは…えーと、美沙にあげたよ。」 俺はPCで作業をしていたので、適当に答える。 もちろん嘘だ。俺が食べた。 「美沙ちゃんに?…なら、しょうがないな。 あの"ラムネシュワシュワオーシャンブループリン"は期間限定品で、もう二度とお目にかかることは無いのだが、美沙ちゃんにあげたのなら仕方ない。うんうん。」 やっべ。バレたらタダじゃすまんな。 だが、御察しの通り、田中はあのバカ美沙のことが好きだ。 美沙の名前を出しておけば、あいつは美沙のことで頭がいっぱいになるから、冷静さを失う。 俺の嘘にだって気づいていない。 ちょろいもんだぜ。
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