3人が本棚に入れています
本棚に追加
加奈子ちゃんはそんなやりとりを見てクスクスと笑っていた。
こういうところも美沙とは大違い。控えめでおしとやかで心優しい加奈子ちゃんは、ほんわかした雰囲気で「可愛い」意外の言葉が見つからない程に可愛い女の子だ。
俺には勿体ないとは分かっていながらも、もし良ければ、お付き合いして、1,2年くらいでプロポーズして、結婚式はハワイで挙げて、ハネムーンはヨーロッパで、子供は3人とか産まれちゃって…マイホームも建てて…
「おーい、おーい…戻ってこーい」
田中が俺の顔の前で手を振っている
「はっ!! 定年を迎えて山奥の家で2人慎ましく暮らし続けるところだった!!」
俺は現実世界に戻ってきたみたいだ。
「何年越しの妄想だよそれ…」
田中は大きくため息をついた。
ああ、幸せだった。あんな夢の中でなら、死んでも良いかも、俺。
最初のコメントを投稿しよう!