「衝動」

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遠い昔の幼い娘は 色とりどりの砂糖菓子に 勝手に味を想像し 全て同じ味だと真相を理解した時の 絶望感とトラウマを全身でくらったものだ。 見た目で味を想像することは 現在進行形で楽しみで しかし裏切られる驚愕も 現在進行形で覚えている。 ポスターの右下を見た時 私の幻想は実現しないことを悟った。 その数値は  自分では工面に難いものだった。 そして私には  特に大事な予定もないことを分かっている。 ポスターから体を遠ざけながら あのホイップクリームの味はどんなものだったのか 後ろ髪をひかれる思いは しばらく離れなかった。
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