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第三話 第三の人生
科学者小山博士は、また身体が縮んだ。
おそらく生きた年月はこれで、145年ほどになる。
これで彼はまた小学1年生の大きさになったのだ。
またかつての科学者仲間の友人の息子の山竹は既に死に、その曾孫で科学者の山竹氏に相談し、保証人になって貰い、編入手続きをして小学校に編入した。
また小学1年生からスタートである。
まだ見ぬ宇宙関係の研究をするために。
数学と理科の学力は基本高スペックなのでほとんどしなかったが、他の科目はかなり忘れているようだ。
どうも、生活、道徳なんてのは覚えてないらしい。
また、相変わらず小学生の編入生への絡みが凄く、小山も休み時間遊ぶことにした。
今回も次世代の友達が出来た。
数学、理科以外の勉強し、また出来た友達ともよく遊んだ。
勿論テストは成績優秀で、よく周りから、
「すげー。」
こういう声が聞こえた。
小山はそれから難関中学に行った。
小山もまた例外ではなく、脳がフレッシュした分、思春期を迎えた。
中学時代、勉強は比較的余裕だったので、自分を含めて思春期の行動研究をしていた。
(どうも、この時代は儂を含め感情は不安定になるな。)
小学生から中学生の変化はやはり、ある種の大きな変化だった。
やはり難関中学とはいえ、人間である限り、いじめは起きる。
いじめられる生徒は決まっていて、やはり空気が読めない子やコミュニケーションが乏しい子である。
以前程のような、難関中学でのいじめは学校の対策によって減ったが、難関学校なりの生徒のストレスが起因して、いじめは無くならない。
小山は難関中学でも成績優秀で自分の世界に入るタイプだったので、いじめの対象にはならなかったが、やはりいじめられている子は可愛そうに見えた。
(やはり、人間で、思春期である中学生はなんともいえない時代だのう。)
小山は言葉に出来ない気持ちに駆られた。
(儂が一人で動いても、却って返り討ちにされるだけだな。)
145年生きているとはいえ、小山は自分の未熟さを痛感した。
「まだ儂にも出来ぬことはあるか・・・。」
また、偶に2度目の若返りの効果の人体の実験データを取りに、保証人になって貰った科学者仲間の友人の息子の曾孫である山竹氏が来る。
「どうですか。調子は?」
山竹氏は小山に聞くと、
「体調は悪くないのだが・・・。」
「?何か問題でも?」
「あぁ。中学のいじめがなぁ。」
「あぁ、いじめですか。難関中学でもあるんですねぇ。」
二人でいじめに関した話をした。
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