第2章

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そのラウンジには、私を含め会社の仲間5人で来店した。 そして、私の横にたまたま付いたのが、ユリカさんだった。 ユリカさんから名刺をもらい、私も自分の名刺を渡した。 聞けば、彼女はこのラウンジ"花道”に、今月から働き出したばかりらしい。 かと言って、水商売が初めてというわけではなく、以前他の店に在籍していたこともあるらしく、水商売歴は1年以上経っているらしい。 「えぇ!?君、ハタチなの!?」 奥の席から、杉田さんがまたユリカさんに声を掛けた。 「はい!ハタチです!」 「そう、この子はこのお店で最年少よ。現役大学生!」 杉田さんの隣でそう言ったのは、このお店のママだ。 どうやらママが、杉田さんに彼女の年齢を言ったらしい。 「可愛い子でしょ、可愛がってあげてくださいね」 ママは私にそう言ってにこりと笑った。 「えぇ、はい」 私は答えたものの、彼女の年齢の若さに驚いた。 「まさか、ハタチだなんて。もっと上かと思いました」 「えー、うそ!やっぱり、老けてますか?私」 「いや、そうじゃなくて。随分大人っぽいので」 「本当ですか!?それは嬉しいです!」 ユリカさんは本当に嬉しそうだった。 「私、すっぴんだとかなり幼くて。化粧で結構変わるんですよ」 「そうなんですか?」 「はい。詐欺ですよ!ふふっ」 彼女のすっぴんは、絶対綺麗だろうなと思った。 見てみたい。 まぁ、見ることなんて一生ないだろうが。
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