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電話<会う
「う〜、やっぱり寒いね〜」
彼女は鼻を赤くして手を擦った。はーっと吐く息がほんのり白く色づく。日の出を見るついでに星も見ることになり、予定より少し早くきていた。
「あ、ほら見て! あそこにオリオン座があるよ! じゃああれが冬の大三角かな?」
空に光る星に手を伸ばし、線を描く。その嬉しそうな姿を少しでも目に焼き付けた。
俺が少し離れて見ていたのがバレて、彼女は俺の方にやってきた。
「もぉ〜! どうしたの? 具合悪い??」
「…ううん。平気、大丈夫だよ」
俺は彼女の手を握ると、並んで空を見上げた。
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