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第3話 カワリモノはやっぱ個性的!?
「ついた!サイキックスクール、予想通りヤバい感じでてますよねぇ。」
電車を降りると、そこはサイキックスクールの地下だった。
階段を上がればすぐにサイキックスクールの1階に着くというみたい。
ユミは赤色のふちの四角いメガネを輝かせ、ニタニタ笑いながら階段をゆっくり登っていったので、わたしたちもそれについて行く。
男子たちも電車から降りた途端に階段をかけ登り、わたしたちをあっという間に追い抜いた。
「お腹空いて死にそう。アヤ、なんか持ってる?」
「持ってるわけないじゃん」
サキは今にも倒れそうな形相で階段を登る。
しかしペースは落ちない。サキはいかにも運動系という雰囲気を感じる細い足だ。早い、登るペースが。
わたしもそれにあわせて登るのでこっちも倒れそうになる。
階段が結構長い。
登っても登っても登った気がしない。
わたしは引きこもりタイプの人間だからもちろん体力はない。
登りきる頃にはヘトヘトになっていて、足が少し痛かった。
でも確実に目の前には昇降口があり、そして下駄箱もある。
「見て…あの人…超イケメンじゃない…?」
サキのさっきまでの死んだ顔がウソのように明るくなった。
サキの目線の先には高身長、黒髪の爽やかイケメンが歩いている。
おそらく先生だろうけど、なんの教科を教えるんだろ…
普通にアイドルにいてもおかしくない雰囲気なので、気付くとわたしまでまじまじと見つめてしまっていた。
やっぱり個性的だなぁ…カワリモノの人たちって…いや、超能力持ってたら否が応でも個性的になるよね…
イケメン先生を後にして教室に向かう。サキがまだ先生の話をしている。
個性的だけど、こういうところは普通の中学生なんだなー。
「うお、女子だ」
「ぬぉー!彼女作るぞー!なんてな!」
わたしたちが教室に入ると、先客の男子の一部がわたしたちのところにぞろぞろに集まってきた。
「よー!俺はアキヒロっつーんだけど、彼女募集ちゅ。だれか紹介してくんね?」
またまた褐色肌の運動系男子がわたしに早速話しかけてきた。
後からやってきた女子たちも続々とわたしたちのところに集まってくる。
男子とのあれこれとは無縁だったわたしはなんて返したらいいのか分からず
口ごもっていると、後ろから可愛らしい顔をした男子が顔を出した。
「おっ、兄貴も彼女欲しいっすか?」
「何言ってんだよ、お前ら今日が初対面同士だろ…」
兄貴というあだ名とは似つかない女の子のような端麗な顔立ち。
でもわたしより身長は15センチくらい差があり、体型は完全男子だった。
「俺、サツキっていいますー。クラスでは能力のせいで妬まれがちだったけど性格はいいぞ、なんてなー。」
サツキ(兄貴)が自分の席に戻ると同時に、教室の前に影が見えた。そう、1度見たことのある影が…
「君ら、時計見なよー、時間時間。」
そこにいたのは、わたしの中学生生活を変えた、「自称」先生だ。
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