文字は読めたが言葉にできない

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文字は読めたが言葉にできない

今日は、二歳の誕生日らしい。 私は可愛いらしいくて「天使みたいだ!」と、よく言われる。 うん、知ってた。マジ天使でしょ! それはいいとして、今日は私を求める人が多すぎって感じー。 それに、なんだか多くの人達が私の許可無く勝手に体を触る。 いつから『おさわり自由』になったのだろうか? ちょっと、やめろって! 脇の下を触って持ち上げるついでに胸とか、抱き上げるついでにお尻とか触るなや! 泣くぞ!泣いちゃうぞ! とりあえず、オッサンが触ろうとした時だけ泣いてみた。 流石に効果が有って助かった。 よし!この作戦は使えるぞっ! あと、あれだよ。 イケメンには最高の笑顔で抱かれたけど何か? 二歳児でも女の子なんだから人を選ぶよ。 それと香水の匂いがキツイオバサンも遠慮してもらった。 だって、キツイ体臭が私のような超絶美少女(自称)に移ったら嫌だから。 そんな臭いが付いた私が、イケメンに抱かれた時に私が臭いと勘違いされたら嫌じゃん! 移される前の予防は肝心。 移されてからでは遅いのだから。 と、言う訳で、イケメンと良い匂いがする若い女性しか抱っこされないんだからね。 抱っこした人の中で1番良かったのは、やっぱりママかな? 若くて綺麗だし、抱っこされてて安心感がある。 それに、お腹が空いたら目の前にホットドリンクが出て来るし、不快なオムツも直ぐに交換してくれる。 私が天使なら、ママは女神様か? じゃあ、パパは? うーん。若くてまあまあイケメンって感じがするけどー、なんだかなぁー。 嫌いじゃないよ。どちらかと言うと好きな方だよ。 でもねー。あれは良くないよなー。 私がママからホットドリンクを飲ませて貰っている時に、欲しそうに見るのはダメだよなぁー。 片方空いているけど、欲しそうに見るのはなぁー。 それに、知らない貴族のオッサン達も見るんじゃない! ママも隠せよって、前にも思った気がする。 いつだったかな?覚えてないや。 あのー。ママー。ママさん。私、飲み終わったんだけどー。 なんでしまわないのかな? 貴族のおじさま達が涎を垂らして見てますよー。 あれ?ママは疲れちゃったのかな? うっとりとした表情で口から涎が垂れてますよ! 寝てるのかな? まあ、いいや。 それと、私の名前がはっきりしましたよ! 今日の主役だから、名前が大きく掲げられていたよ! 私の名前は・・・。 『月室(つきむろ) 羽着名(ばぎな)』だった。 『月室 羽着名ちゃん 二歳の誕生日おめでとう』と書いた看板が部屋の中に設置してある。 読み方は、分からないが、私に言ってくるのが『ばぎなちゃん』だったのと、親が『つきむろさん』と呼ばれていたので間違い無いと思うよ。 大変言いにくいのだけど・・・ 自己紹介をする時に『ちゅきうぉ まきなでちゅっ。にちゃいでちゅ』としか言えなかった。
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