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そこから正面に見える他より少し高い建物に向かって真っ直ぐ歩き始めた。
あれは何の建物?市役所みたいな感じ?
白い石でできたベッドのような台は関係無かったみたい。
ところで、私と手を繋いで歩く女の子は誰よ?
ちょっと、お役所的な制服を着ているみたいだけど、公務員みたいな人かな?
あの建物は、私の誕生日パーティー会場じゃなさそうだね。
建物に入り、廊下を少し歩いた場所にある部屋に入った。
8畳程の広さの部屋には、3人の知らないオジサンが立って待っていた。
その部屋は物が少なく真ん中に質素なベッドが置いてある。
まるで保健室みたいな部屋だった。
どうやら私の健康診断を始めるみたい。
オジサン達は、お医者さんなのだろう。
私を連れて来た中学生ぐらいの女の子が「先生、お願いします」と言って部屋から出て行ったので、そう思った。
五歳になったら健康診断をする決まりでもあるのだろう。
今頃両親は、自宅に戻って誕生日パーティーの準備に大忙しなのかな?
医者みたいな人達に服を全て脱がされるとベッドにうつ伏せに寝かされた。
この世界の健康診断は、日本とは違うやり方なんだね。
両手両足を大の字に広げてられると、両手首と両足首にバンドが付けられた。
ん?んん?何だ?全身をベッドに固定してから調べるのかな?よく分からないけど。
3人の医者がボソボソと言い始めると私の背中が少し温かくなった気がした。
何かの魔法だろうか?
うつ伏せに寝ているので、オジサン達の様子は見えない。
すると、突然背中に激痛が!
注射器でブスッと刺されたみたいな感じで痛い。
痛くて暴れるのを防ぐ為のバンドだったのかと知った。
何!チョー痛いんですけどー!
予防接種みたいな注射?
もう終わりだよね!痛い、痛いよ!
針を抜いたが痛みは残る。
そして、プスッと2目の激痛が来た!
あまりの痛さで気を失いかけたが、3度目の激痛で目が覚める。
痛い、痛いよぉー。もう終わり、もう終わりだよね?
3回もプスッとすれば終わりだよね?
そう思った時に4回目の激痛。
もう許して、お願いだから止めて!
ねえ、ねえってば!うっ、痛い、痛いよ・・・。
それから、五時間が経った。
私の顔は、涙や鼻水や涎などで濡れていた。
激痛によって必死に逃げようとした私の全身は、汗だくでベッドが濡れている。
濡れている原因は、それだけでは無い。
あまりの痛さに失禁していて黄色い水溜まりが出来ている。
その水溜まりの上には茶色い島も何個かあった。
五歳の誕生日には、儀式により背中に魔法陣を描くらしい。
知らないよ!そんなの知らないって!
マジか?この世界は!
小さな子供に何をしているんだっ!
3人のオジサン達が部屋から出て行くと、すれ違いで最初の女の子が入って来た。
その中学生みたいな女の子が私の手足に付いたバンドを外していく。
とてもイヤそうな表情で作業をしている。
部屋が臭いのが原因なのだろうか?
バンドが全部外れたのでベッドから降りると女の子は服を脱いで私を隣部屋のシャワー室に連れて行った。
背中が痛いのに容赦なく洗う女の子を睨んでいると、女の子は初めて喋った。
「来年は、こんなんじゃない」
それだけ言うと再び黙り、泥のような物がベットリと付いた部分にシャワーを掛けながら、手で擦って汚れを落としてくれていた。
何故かハァハァと興奮しているように見えるけど気のせいでしょ?
私の体を隅々まで必要以上に何度も手で擦って洗っているみたいに思えるのは気のせいだよね?
手だけではなくて全身を当てて来るのは何だろね?
ペロペロするのはアウトでしょ!
でも気持ち良いから自由にさせているけどね。
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