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こうして私達は、なんとかグリフォンの群れを駆除する事に成功した。
殲滅は出来なかったが、こうして全員無事なのは、間違いなく、人間大砲作戦が成功したからである。
人間大砲は命中した時に相手に僅かなダメージが入る。
その僅かなダメージとは、装填された人間の体重が、直接ダメージ値となる。
つまり、デブな奴程、高火力を出せるというわけだ。
そのため、私達のような体格のメンバーが集まって、攻撃を行った場合は、グリフォンを倒すのには、何日間も攻撃を当て続けなければならなかった。
奴らが諦めて逃げて行ってくれた事に、今は感謝しよう。
「おい、ヒカリ、アリス。人間大砲のダメージ量が、何によって決まっていたか知っていたか?」
私は2人に聞いたが、ヒカリは仕様を忘れたらしく、アリスは知らないらしい。
まあ無理もない。攻撃手段としては、あまりにも非効率的なため、使う機会もないからな。
「なら教えてやろう。おまえ達の大砲ダメージが低い理由を」
私はそう言うと、私、ヒカリ、アリス、ライカの与えたダメージを見るため、バトルログウィンドウを表示する。
「ふむふむ………そうだな。まずはダメージ量を見てみようか。
今確認したが、各々の大砲のダメージは、1回当たり、
私は48ダメージ。
アリスは39ダメージ。
ライカは30ダメージ。
そしてヒカリは……なんという事だ。67ダメージ………」
私がそう言った瞬間、顔を青くしたままヘタレていたヒカリは、ビシッと立ち上がり、何かとてもアピりたいためなのか、胸を張って、ドヤ顔で言った。
「ふっふーーん!!!。どうやらあたしは、人間大砲のセンスがあるみたいね!。
この世界でやっとあたしの才能が発揮出来た気がするわ!」
そしてヒカリが満足そうに自信を取り戻したタイミングで、私は砲弾ダメージの真実を話す。
「えーっとだな…。ヒカリには非常に話難い事なのだが、今のダメージ量は、本人の体重でもあるのだ。
つまりアリス、おまえは少し痩せすぎだ。
もっとちゃんとした物を食え。
そして私も若干痩せ気味だな。まあこれくらいは許容範囲だ。
ライカの体重は、小学生の女の子の平均値と言って良い。幼女なのだから適正値だな。
そして……ヒカリ………。ゴホンッ。おまえについては」
「アサヒー♪。それはきっとバグなのよね?。いつものようにデバッグして、あたしの体重を修正するか、砲台のバグを修正してくれないかしら?」
私は突然背後からヒカリの声がしたため、後ろを振向こうとした。
ドゴッ!
しかしその瞬間、杖で頭部を叩かれ、私は気絶状態となる。
「あはははは!!!!。どうやら本人がバグってたみたいだわ!。もうバグは修正されたから、みんなも今の不具合の事は気にしなくていいわよ♪。
それにあたしは後少し………。
砲台に入って、出すもの出して来るわ。
ちょっぴり気になっていたのよ、体重の事。本当にちょっぴりよ!?。あははは!あはは!」
そう言うとヒカリは砲台の中に入り、敵もいない中で1人人間大砲を始めたのであった。
ドゴンッ!
ヒュウウウウウウウウウ!!!
ウプッ!!!
ゲロゲロゲロゲロゲロゲロゲロ…。
ズコォオオオ!!!!
(ハァ、ハァ…。今のでどれくらい痩せたかしら……)
※危険ですので絶対に真似しないで下さい。
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