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「は!?。私達3人以外に誰が居るって言うのよ!。あんたやっぱりおかしいわよ!。
バグばっかり使っているから、遂に自分自身がバグってしまったみたいね!」
邪魔王がピーピーそう喚くと、アリスが何かに気付いたようにボソっと言う。
「ん……。アサヒ、ヒカリ。やっぱり私達。誰かにずっと尾行されている。
恐らく……村を出た時から」
すると近くの茂みから、ガサガサと音がして、1人の幼女が姿を現した。彼女は、私を散々弄んだ悪ガキのライカだ。
彼女は私の頭に石をぶつけた後、腹にう○こを塗り付けたのだ。
この世界で始めて私を打ち負かした宿敵である。
「さすがアリスだ。どこかの鈍い尻腫れ女とは違うな」
それを聞いたヒカリは予想通り、私の胸ぐらを掴み、左右にブンブン振り回しながら言う。
「テメェも今すぐ同じようにしてやんぞゴラァ!!・・・・って今はそんな事言ってる場合じゃないわ!?。どうしてライカちゃんがここに居るのよ〜!(汗)」
ライカは悪ガキであり、好奇心旺盛な幼女である。私達が危険な旅に出るとは知らず、何かの面白い遊びだと勘違いして着いて来たのだろう。
「エヘヘ!。バレちゃってたー!」
頭を掻きながら、笑うライカ。その様子から、どうやら彼女には今の状況が、決死の覚悟をする程の絶望的な状況には見えていないようだ。
ふんっ!、まあいい。私からすれば、この子に仕返しをするのには絶好のシチュエーションなのだ。
今に見てろよ……ライカ。
私はそう胸に憎悪を抱くと、早速アリスに攻撃指示を出した。
「アリス!。この子にお手本を見せてやれ。狙うはあのグリフォンだ!」
しかし、アリスは額に汗を滲ませ、ジト目をしながら私を見て言う。
「ん………何故私が、最初?」
「いいからつべこべ言わずいけえええ!!」
私はそう言うと、アリスの背後に立ち、彼女の背中を押して、大砲に近づける、すると…。
「あっ!」
ガパッ!
キュインッ!!!
アリスが驚いた途端、大砲の装填口が大きく開き、彼女はそれに吸い込まれた。
そして。
ドゴンッ!!
大砲の発射音と共に、人間大砲となったアリスは発射された。
ヒュウウウウウウウウウ〜ッ
「ん……、アサヒ、後でお仕置き…」
風を切り進む音を立てながら、勢いよく空中を吹っ飛んでるアリスが、私にボソッと言う。
アリスは涙目だが、普段通り無表情だ。
恐らく、それ程怖くなかったのであろう。
そしてグリフォンは、向かい来る1発目の砲弾であるアリスを回避するため、横に飛んで回避した。
そのため、アリスはグリフォンを飛び越し、地面に着弾する。
ズコォオオオッ!!!
見事な撃ちっぷりだ。
地面を削る華麗な音と共に決まった、ヘッドスライディングに、私は驚嘆し、某戦争ゲームのオペレーターが言いそうなセリフを、ついつい言ってしまう。
「いいぞ!α-1!。グッドキル!」(イヤ…コロシテナイケドネ)
地面に着地して、ぶっ倒れたアリスの身体はピクピクと痙攣しながら、少しずつ起き上がる。
「!?!?。ピギャオオオオオオオ!!!」
そしてグリフォンの方は、敵が攻撃を開始したと理解したのか、雄叫び上げて、全グリフォンがアリスを敵として認識し、全ての敵視がアリスへと向けられる。
これはまずいな。
私は某戦争ゲームのオペレーターの真似をしながら、次にアリスが取るべき作戦行動を指示する。
ピー…ガサガサ「α-1!、α-1!。応答せよ!」
そしてアリスは、私の無線指示に応答し、咳込みながら立ち上がる。恐らく、ヘッドスライディング中に土が肺に入ってしまったのだろう。
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