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しかし通報された私は、どうやら手配度が上がってしまったようだ。
手配度とは安全地帯に設定されているエリアに、プレイヤーが入っている間の時だけ効果が発動するプレイヤーステータスである。
この旅立ちの村も、その安全地帯のエリアの1つに含まれる。
この効果が適応されている間に犯罪行為(他プレイヤーやNPCの殺害、窃盗、施設の破壊など)を行った場合に手配度が1増える。最初は0だ。0以上の場合は時間経過で1ずつ減って行く。
そしてこの手配度が1以上の時、その安全エリアに居る衛兵などから指名手配される。
捕まれば牢屋にぶち込まれて、手配度が0になるまで外に出る事は出来ない。
そして私は今、宿屋の店員による想定外の通報で手配度が0から1になってしまった。
プレイヤーをアンデットと間違えるなんて、何かのバグに決まっている。
しかし私にしてみれば、こんな事になっても何も焦る必要はない。
バグが再発したアリス・オンラインなら、私は衛兵供をバグを使って騙して、手配度を0に戻す方法を知っているからだ。
さて、この後私は無事、衛兵を騙し、手配度を0にする事に成功した訳だが、そろそろキリの良い所まで来たので話を先にあったヘッドスライディング中の私に戻そうではないか。
そう、私はあれからまたもや、NPCから不審者通報され、衛兵を呼ばれる。
そして手配度が上がり、遂に衛兵と鉢合わせになってしまった。
全く、悪夢にしては妙に現実味があって気色悪い。
誰が、何が、何の目的で私をこの悪夢へ
、あるいはこの異世界とも呼べるような不思議な世界に呼び出したのかは、今の所はわからないが、せいぜい足掻いてやろうではないか。
今から私は不具合チート勇者だ。
不具合なのは私という存在ただ1人で十分だ。
故に、この世界に存在する無数の不具合を悪用し、私はこの世界を害虫駆除する!。
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