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先程私を襲ったグリフォンが急旋回して、再び私に攻撃を行おうとして来た。
どちらかなど、選んでいる場合ではない。
命の危機が迫って来たため、私はとりあえず、右の砲台に近づき、砲台に自身の身体を装填させた。
キュインッ!
(ふむ。砲台の中は私だけのようだ。ライカとは別々になってしまったか……。後で連れ戻さないとな)
そして私の隣の砲台が、爆発音と共に、ライカが発射された。
ドゴンッ!
「おかああさあああああああああん!!!!(泣)」
ぬははははは!!!そうだ!、ク○ガキめ!やっと自分の立場を理解したか!。
そのまま恐怖に怯えてグリフォンのおやつとなるがいい!
私はライカの泣き声を聞いて、内心そう満足すると、今度は私が砲台から発射された。
ドゴンッ!
ヒュウウウウウウウウウ!!!
私は吹っ飛ばされている最中に空を見渡した。
砲台の照準を合わせないまま、焦って装填させたためか、随分と高く飛ばされたものだ。
すると一体のグリフォンが目に入った。
奴はこちらに向かって接近しているのではなく、寧ろ、この戦地から離れて行ってるように見える。
下からヒカリの叫び声が聞こえた。
「ざまあ見なさい!!、もうこれに懲りたら、あたし達の邪魔はしない事ねー!」
…あのグリフォンに言っているのか。
奴はやはり逃げていたのか。
もう私達に構っているのも飽きたのだろう。
グリフォン興醒めのバグハメである。
そもそもこんな大量に砲台が置ける仕様があるため、このような狂った戦い方が出来てしまうのだ。
ちなみに、私はこの戦法で、敵を殲滅出来る方法がある事をアリス・オンラインの開発チームに報告し、これは仕様の不具合と認定され、仕様変更となる事に決まった。
他のグリフォンも、これが長期戦になればなるほど、同じ考えをして、逃げる奴が増えるかもしれん。
ズコォオオオ!!!
私は予想通り、人間大砲の攻撃が外れたため、地面にヘッドスライディングしたまま着弾する。
「ケホッケホッ…」
水が欲しい。先程から、咳込んでばかりのため、喉がカサカサで酷い状態だ。
しかし今は、グリフォンが逃げ出す前に、倒さねばな。
が、この砲台だけの火力では、倒す前に逃げられてしまう。
仕方ない、ここはテイムをして、グリフォンを仲間にしよう。
私は周囲を警戒し、グリフォンが居ないか確認する。
すると丁度、1体のグリフォンが、私が地面に倒れて無防備だと思ったのか、大きな鳴き声を出しながら、私に向かって走って来た。
「ピギャオオオオオ!!!!」
随分と元気のいい奴だ。よし、こいつをテイムしてやるか。
私はすぐさま立ち上がると、砲台をクラフトして、大砲の照準を、グリフォンではなく、全く別の、特に何もない場所を狙う。
狙った場所はかなり遠くの場所だ。グリフォン達とアリス、ヒカリが戦っている場所からも離れている。
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