360人が本棚に入れています
本棚に追加
「あんた1人で大丈夫なわけ?。言っておくけど、ライカちゃんに何かあったら許さないんだからね!」
「心配性な魔王だな。安心しろ。こいつには、まだやるべき事があってだな。私からすれば、非常に大きな問題なのだ。そのため、こんな低レベルエリアであっさりと簡単に死なれては困る。
この悪ガキときたら、グリフォン共の群れと鉢合わせになっても、こいつにとっては、子供の遊びの1つにしか入らなかったようなのだ。
故に、私はこいつの弱点を把握し、思う存分痛め付けるまでは、死なれては困るのだよ」
(アサヒ、あんた。素直じゃないわねえ……。)
そして私はライカを抱き抱えると、グリフォンに彼女を乗せる。
「おまえに乗せるのは、彼女と私だ。頼んだぞ、グリ子」
そう私がマイグリフォンのグリ子に語りかけると、ヒカリはクスクス笑いながら言った。
「プークスクス!。グリ子ですって?。なんだか、おまけが付いてきそうな名前ね?」
「なに、そういう意味でも良い名前だろう。
何か面白いアイテムを拾って来そうだ。
グリフォンだからグリ子。シンプルで良い名前だと思うぞ」
そして私もグリ子に跨り、グリ子に飛ぶよう指示する。
「ん……。気おつけてね、アサヒ」
「ああ、では行って来る」
そして私とライカは、グリフォンに乗り、旅立ちの村へと飛んで行った。
・・・・。
その頃、旅立ちの村では…。
村は今頃、静寂な夜となるはずだった。
しかし、こんな真夜中だと言うのに、村の家々のほとんどには、光が灯されていた。
そして、村人達は村の中央にある井戸がある広場へと集まり、村の中心に居る、1体のモンスターを取り囲んでいた。
モンスターの近くには、この村の衛兵であっただろう者の屍が、数体、無残な姿となるまで、何かに突かれ続けた傷跡を全身に残したまま、転がっていた。
村人達は、その遺体を見て、気分を害して吐いている者や、恐怖に怯え、泣き叫ぶ者、怒り狂う者が居る。
そして、旅立ちの村の村長がモンスターの前で土下座し、地面に頭を付けて、謝罪の言葉を述べていた。
「お許しを!、どうかお許しを!!!。お願いです!。アーク・グリフォン様。あなた様の、またグリフォン達の狩を邪魔したのは、この村の人間ではございません。
どうしてそのような、強き者が、この村に居ましょう。
ここは旅立ちの村。この世界を旅する者が、最初に訪れる村でございます。
あなた様のような、頂点に君臨する最強モンスターを倒せる者など、この村には存在しません」
何度も謝罪を述べた村長に対して、アークグリフォンは、顔色1つ変える事なく、村長を前足で蹴飛ばした。
「んぐはああっ!」
村長は、後方に吹っ飛ばされ、倒れた。
そして、すぐさま村人が駆け寄り、怪我の容態を確認する。
そのアーク・グリフォンと呼ばれるモンスターは、グリフォンの上位種であり、普通のグリフォンよりサイズが、一回り大きい。
そして何故かクチバシは、ピンク色に光っていて、しかも半透明で透けている。
それは、なんだか見た目が不自然極まりなく、その部分だけ、バグっているように見える程だ。
そして、アーク・グリフォンは人間の言葉を村人達に話した。グリフォンの上位種は、人間の言葉も話せる、聞き取る程の知能があるようだ。
最初のコメントを投稿しよう!