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そして、敵の正体も判明した。村人達は、グリフォン共に狩られている。
そして彼等は、散開して逃げている最中のようだ。
一体何故、村の近くにグリフォン共が!?。衛兵はどうしたのだ!?。
緊急事態と判断した私は、すぐにヒカリとアリスにメッセージを送り、今すぐ救援に向かうよう伝えた。
よし……増援が到着するまでの間、私1人で、この上空を飛び回る害虫共をなんとかしなければな。
「あなたは!。あの時の冒険者様!」
そう考えている時だった。
1人の女性が私を見つけて、グリフォンから逃げる最中、私の元へと駆け寄って来た。
こいつには見覚えがあるな………確かー。
ああ、このク○ガキの母親か。
「それにライカ!!!良かった!、本当に良かった!無事で!」
母親はそう叫ぶと、私は母親に、背負っているライカを預けた。
「ありがとうございます!。ありがとうございます!。冒険者様!。私の子を守っていてくださったのですね!」
母親は泣きながらそう言うと、ライカを抱きしめる。
感動の再開?、だと言うのに、ライカの方は相変わらず眠ったままだ。
「い………、いや、私は別に、そいつを守っていたわけでは………」
勘違いされた事に私はポリポリと頭を掻く。
すると、上空からグリフォンが、私と母親、ライカを狙って急降下して来た。
私はすぐに母親を押し倒して、グリフォンの攻撃を回避する。
ブゥンッッ!!!
「きゃっ!」
ドサッ!
「すまない。痛かったか?」
そう言って、私は倒れた母親に手を貸す。
「い…いえ、ありがとうございます。
冒険者様。何度も助けて貰う中、図々しいと思うのは承知の上で、お願いしたい事があります!。どうか!、どうか私達の村を守って頂けないでしょうか?。
衛兵は全員、アーク・グリフォンと名乗るモンスターに殺されました。
この村をお救い出来る方は、あの最強魔術士と渡り合った、冒険者様、あなただけです!」
「アーク・グリフォンだと!?。馬鹿な!。レイドボスが此処に居るはずがないだろう!」
アーク・グリフォン。
奴の本当の名は狂乱のグリッグス。
首跳ね女王に仕える、幻獣だ。
そして首跳ね女王の正体は魔王で、今はヒカリが魔王という事になっている。
魔王の監視が無い事を理解し、魔王城から飛び出して来たのか?。
だとするとまずいな、あいつは24人参加型のレイドバトルのボスモンスターだ。
私1人で倒すなど、バグを使わない限り無理な事だ。
そこで、私はヒカリの言葉を思い出してしまう。
『じゃあ…約束して。もうあたしに内緒でバグを使う事はやめて』………。
バグを使わないで、この状況を乗り切るなど、無理がある
今は緊急時だから、バグを使っても、あいつなら大目に見てくれるはずだ。
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