360人が本棚に入れています
本棚に追加
「冒険者様のおっしゃる通り。あのグリフォン達は、近辺に生息しないはずの、危険なモンスターです。
私も、生きているグリフォンを見たのは初めてなのです。
そして、アーク・グリフォンは言っていました。
本日の朝から昼過ぎにかけて、自分達の狩場を、頭のおかしい人間達が砲台の山に変えて荒らしたと。
そしてこの仕打ちは、その復讐だと言っておりました」
「何者だ………!。そんな頭のおかしい遊び方をしている奴は!」
村人や他のNPCではないだろう。彼等が砲台の山を作るような、そんな器用なプレイをするとは到底思えない。
とすれば、残る候補としては、プレイヤーだろう。
すると、私の後方の遠くから、聞き覚えのある、邪魔王の声と共に、何かが飛んで来る音が聞こえた。
ヒュウウウウウウウウウ!!!!
「あんたの事でしょうがああああああああああ!!!!!!!」
ドゴオオオオオオオオン!!!!
その人間大砲の砲弾は、私に着弾した。
いや、人間大砲だけではなく、グリフォン大砲でもあった。
何故なら、私に直撃した砲台の弾は、ヒカリ、アリス、そしてグリ子だったからだ。
「ん………。ヒカリ、違う。アサヒの事だけじゃなくて、私達も同罪」
「はぁ!?(怒)。アリス、あんた何言ってんのよ!。こいつが最初に提案したんだし、こいつに全部の責任があるんじゃないっ!」
私の上には、2人+1体が、のしかかった状態のため、重さに耐えられず、私は気絶状態となる。
「ピギャ……グオオ」
どうやらグリ子も気絶してしまったらしい。
グリ子の目はバッテンになってしまっている。
「あ、あなた達は……確か」
ライカの母親が、突然の事態に困惑しながら訪ねた。
「あ、ライカのお母さんですよね?。良かったわ!。ライカちゃん。やっと母親の元に帰れたのね!」
「助けてくれえええ!!!」
「!?!?」
どうやら今は、母親とゆっくり話している場合ではないようだ。
ヒカリ達の近くで、村人の叫び声が聞こえた。
村人がグリフォンに上空から追われていた。
彼はヒカリ達の、その装備を見て、冒険者だと思ったのか、2人に助けを求めながら、走って来ている。
ヒカリとアリスは、顔を合わせて頷くと、上空を徘徊するグリフォン達に向けて戦闘態勢に入る。
そしてヒカリは、詠唱不要の攻撃魔法をグリフォン目掛けて発射する。
「ファスト・シーカーファイアーブラスト!」
追尾型の火炎の渦が、杖から発射され、グリフォンに命中する。
そして3秒程、その魔法によって炎を浴び続けたグリフォンは、全身を燃やしながら、地面へと落下した。
「ハァ、ハァ、あ!、ありがとう!、助かった!」
走りながら逃げて来た男性は、息が荒いまま、四つん這いになり、感謝を述べながら、呼吸を整える。
「ん………。死にたくないなら、私達から離れないで。魔法防壁を展開する」
「あ!、ああ、助かるよ。ありがとう」
そしてヒカリは、魔法防壁を展開するとわかると、他の逃げている村人達に向けて、大声で叫ぶ。
「みなさーーん!。こっちに集まってくさだーーい!。魔法防壁を展開しまーーーす!」
「冒険者様だ!!!」
「冒険者様が守って下さるぞおおお!!!。みんな冒険者様の元へ集えーー!!」
グリフォンを1撃で倒した、その魔法の威力と、ヒカリの声を聞いた村人達は、皆、ヒカリ達の元へ集まる。
最初のコメントを投稿しよう!