【重要】《不具合のお知らせ》:旅立ちの村の井戸の前で4748回ヘッドスライディングした後、3時間2分16秒間、西方向を向いていると、魔王が弱体化した状態で、井戸にハマった状態で出現するようです。

9/29
375人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
その鉄の剣を見て、武器屋の店主が言った。 「あ、ああ!、あれは間違いなく、うちの武器屋にあった商品ですうう!!!」 それを聞いた親玉は高笑いすると、胸倉を掴んでいる店主をそのまま放り投げた。 「ぐあああっ!」 ドサッ・・・。 「残念だったな!。商品だけを持って逃げようたって俺達の目は誤魔化せねえ。 おい!お前ら!、武器を持逃げした奴を捕らえろ。相手は武装しているかもしれん。 その時は斬り捨てて構わない」 持逃げも何も、お前らみたいな不具合(バグ)の塊である山賊共を騙すためのフェイクだがな。 私は盗賊達が散開し、索敵を開始したタイミングで、盗品と拘束された村人達が居る場所まで建物の死角を利用して接近する。 そして村人達にコマンド「はなしかける」をギリギリ実行可能な距離になるまで接近すると、武器屋の店主に「はなしかける」コマンドを実行した。 『アサヒ は はなしかけた!』 「いらっしゃいませ」(!?!?!?) 私が話しかけた途端、武器屋の店主は急に独り言のように「いらっしゃいませ」と、いつもの客を迎えるような感じで言ってしまった。 武器屋の店主は急に顔を赤くすると、今の発言は明らかに自分の意思で発言した言葉ではなく、まるで何かに促されるように反射的に話してしまったかのような感覚に取り憑かれる。 そしてやはり自分の身に今何が起こったのかを理解できなく困惑している。 周りに居る村人達も武器屋の店主が、突然わけのわからない事を言い出したため、店主は皆から注目されてしまう。 そして見張り役の山賊の下っ端が、村人達に言った。 「おい、今話したのは誰だ?。余計な事を言う奴は首を斬り落とすぞおおお!」 それを聞いた武器屋の店主は慌てて口を両手で抑える。 店主が驚くのも無理はない。 何故ならこのおかしな出来事は、私がバグを意図的に悪用して発生させた現象であるからだ。 普通だったら山賊に拘束されている状態のNPCとアイテムの取引は出来ない。 普通は、この状態でNPCに「はなしかける」を実行すると「山賊に捕まりました。助けて下さい」と返答があり、NPC救出イベントが発生するのだが、何故かアイテムの取引が可能なNPCに対してのみ、拘束された状態ではなしかけると、アイテムの取引が開始出来てしまうのである。 そう、これはバグだ。 そして私は武器屋の店主とアイテムの取引が開始され、商品リストウィンドウを見る。 私の思ったとおりだ…。 店主の商品リストには先程、山賊達が盗んだ盗品アイテムが全て載っていた。(!?) しかも価格は全て0ゴールド(!?) かなりおかしな事になっているが、この現象も通常発生しない、ありえない状況(拘束中のNPCと取引出来てしまう)が、現実に起こってしまったため、立て続けに発生したバグにより連鎖して発生したバグなのだ(2連鎖中) 何故店主の販売している商品が、山賊の所持しているアイテムとなってしまったのか。 具体的にバグの発生した原因について説明しよう。 これはゲームプログラムを組んだ本人であるヒカリから直接聞いた事だ。 まず商品一覧に含まれるアイテム、つまりNPCがプレイヤーに対して販売しているアイテムは「組織」によって決められているのだ。 この組織とは例えば私が今居るこの村も「組織」の1つである。 他の集落や村や町もそれぞれ「組織」の1つとして設定されているのだ。 また、少し変わった組織には、モンスターの集落、魔術師の集落、ギルドの拠点、これらも組織として扱われる。 そして組織によって販売アイテムが各々変わってくるのだ。 例えば魔術師の集落で、武器商人とアイテムの取引をしたとする。 すると、一般的な村で売ってるはずの剣や斧などは、一切販売していなく、代わりに魔術師の杖や攻撃魔法指南書などが販売されている。 そして今私が居るのは「旅立ちの村」という組織に居るはずだが、先程のバグで衛兵が全滅。 結果、治安が保てなくなり「旅立ちの村」としての機能は果たせなくなり、どこの組織にも所属しない単なる無法地帯となった。 そして次に、山賊がこの無法地帯を強制的に占領し、今このエリアは「山賊の拠点」という組織になったのである。 つまり私は今「山賊の拠点」という組織に属した場所で、アイテムの取引を実行したため、取引されるアイテム全てが山賊の入手した「盗品アイテム」となっているのである。 しかし何故、取引する本人が山賊と全く関係ない(寧ろ被害者)である武器屋の店主と取引すると、山賊の所有物が販売されているのか。 これも想定外のバグが生み出した連鎖バグで、通常、山賊から拘束されたNPCは、その時点でNPCの名前が変更される。例えば村人Aという名前のNPCが山賊に拘束されたとする。 この時「村人A」の名前は「山賊の奴隷A」と変更になる。 そして山賊の拠点には、こうした名前の奴隷のNPCが多数存在する。 そして奴隷のNPC達にも、しっかりと1人1人に役割があり、山賊にこき使われるNPCとなるのだ。 そして奴隷になる前の商人など、取引可能なNPCが奴隷となった場合「山賊の奴隷の商人」となり山賊にこき使われる商人となるのだ。 この「山賊の奴隷の商人」という名前が今、武器屋の商人の名前となっており、山賊の商品を売る商人となってしまったため、このようなおかしな事になったのだ。 そもそも拘束された状態のNPCにはなしかけて、取引ウィンドウが表示されてしまうバグが無ければ、この連鎖バグは発生しなかった。 このように、1つのバグが生まれてしまうと、そこからまた今のような複雑な条件で発生するバグが連鎖のように次々と発生してしまう事があるから、バグを発生させた本人である、ヒカリのようなゲームプログラマーは、いつ如何なる時にも細心の注意を必要とする。 しかし今はそんなヒカリのバグに感謝しよう。 私は取引ウィンドウから全ての盗品アイテムを選択し、0ゴールドで購入する。 何故全ての商品が0ゴールドなのか、恐らくこれは想定外のバグにより連鎖的に発生したバグの1つであると私は考えているのだが、 ヒカリは「想定外のケースだったため、初期化処理が正常に完了しない状態で商品ウィンドウを開いたから」 とかよくわからない専門用語を使って私に言っていた。 私はデバッグ担当であり、技術者ではないため、そこまで詳しい事は知らないのだ。
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!